雑賀技術研究所(SAIKA)とSCIEXは、研究分野向けに食品表示法で表示が義務付けられている7品目の「特定原材料」(乳・卵・小麦・落花生・そば・えび (かに))を一度の検査で確認できる「LC MS/MSを用いた食物アレルゲン一斉分析法」を開発したと発表した。

これまでアレルゲン検査法としては、一般的にELISA法が用いられてきたが、さまざまな食品が混ざっている加工食品を検査する場合、偽陽性・偽陰性といった誤判定の可能性があったほか、アレルゲンの品目ごとの個別検査が必要であり、時間やコストを必要としていた。

今回開発された一斉分析法では、SCIEXの質量分析計「SCIEX QTRAP 5500システム」および 、SCIEXのアレルゲン分析メソッド「vMethod Application for Multiple Allergen Screen in Food Matrices using LC-MS/MS v1.0」、「vMethod Application for Gluten Quantitation in Food Matrices using LC-MS/MS」を利用することで、複数のアレルゲンを一度の検査できることを確認。意図しないアレルゲンの混入検査が可能なほか、ELISA法と比べ、偽陽性・偽陰性のリスクが低いことから、より正確な食品表示が可能になるという。

なお両社は今後、さまざまな食品にて同分析法の妥当性の確認を進めることで、将来的に一度に分析できるアレルゲンの対象品目を「特定原材料に準ずるもの(20品目)」や分析手法が確立されていないマイナーアレルゲン に拡大していく予定としている。

  • QTRAP

    SCIEXの質量分析計「QTRAPシステム」