インバウンド需要を見込み、開業を決断
東京都荒川区にある和風ゲストハウス「和ごころ」は、2017年8月にオープンしたばかりの新しい宿泊施設だ。上野や浅草に近い立地であり、訪日外国人を主体とした利用者で賑わっている。
「和ごころを始めたきっかけは妻の提案です。外国人観光客が増えている中、妻や彼女の妹たちから見て外国人の喜びそうなこと、不足に思っていることのヒントを得ていたので、やってみようということになりました」と語るのは、和ごころを運営する、フォーススターズ・ドリーム 代表取締役の南川清志氏だ。
最寄りの日暮里駅は、JR山手線と京成スカイライナーの乗換駅だ。成田空港からのアクセスがよく、山手線で都内一円も動きやすい。外国人に人気のある上野、浅草、両国、秋葉原もほど近く、立地的には外国人向けの宿泊ビジネスが成り立ちやすい場と言えるだろう。
「口コミなどで特に評価いただいているのは、清潔感と接客です。うちでは小さな埃や指紋も残さないようにしていますし、連泊のお客様にも毎日清掃へ入らせていただいています。そういうところが評価されているのだと思います」と南川氏。
「旅館業法の『旅館』の基準をクリアできる建物ですが、ドミトリーをやってみたかったのであえて簡易宿泊所で登録しました。当時、指導いただいていた理事の方のご尽力により、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合にも加盟させていただいています」と南川氏が説明するように、設備の質が高いところも魅力になっているのだろう。
Airペイでクレジットカード決済導入を実現
そんな和ごころだが、オープン当初はクレジットカード対応をしておらず、決済は現金に限定していたという。しかし、9割近くが訪日外国人客であることから、オープンしてみるとクレジットカードの需要は予想していた以上に高かった。
「開業時の半額キャンペーンなども当たり、オープンから多くのお客様に泊まっていただけました。集客はBooking.comやCtripといった海外向けの予約サイトから利用を始めたこともあり、大半は外国人のお客様です。そのほとんどがクレジットカード決済を希望していました。京成日暮里駅には外貨両替ショップが入っているので、現金をお持ちでない方には駅まで行って両替していただくようなことまであり、このままではよくないとすぐに実感しました」と南川氏は振り返る。
元々、クレジットカード需要はある程度認識していたという。開業前にクレジットカードに対応する環境を整えるため、大手クレジットカード会社に相談もしてみた。しかし実際には、対応できないままの開業になってしまった状態だった。
「『設備は旅館と同じです』と説明しても通じず、諦めてしまったのです。けれど実際には、クレジットカードへの対応は必要です。そんな時に思い出したのが、組合の理事の方から紹介いただいたAirペイでした。相談してみたところ、問題なく導入することができました」と、南川氏はAirペイ導入の経緯を説明した。