伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とウェルモは6月6日、訪問介護事業所や介護士の生産性向上への貢献を目的に、AI(人工知能)を活用して訪問介護のヘルパーを最適に配置するシステムを開発したと発表した。
2019年5月から6月にかけて、福岡市のアスパル及びグリーンケア、東京都目黒区のナイスケアの各事業所で、新システムの実証実験を実施する。
同システムは、ウェルモが開発する介護の地域資源プラットフォームである「ミルモネット」と、CTCが開発する最適配置を行うAIエンジンを連携したもの。これにより、ヘルパーと介護サービス利用者の要望を最大限満たして満足度を高めると共に、ケア受入数を最大化した訪問ルートを自動作成できるという。
日時、場所やケア内容だけから判断する場合と異なり、ヘルパーのスキル、休暇や勤務の希望、利用者とヘルパーの相性、事業所に固有のポリシーなど60以上の項目を考慮することで、より最適な割り当てを導出するとしている。
実証実験は5月21日から6月末までの予定で、ミルモネットと連携し、最適化AIが生成したヘルパーの訪問ルートを実運用で検証するという。
両社は今回の実証実験を通して、業務への適用度を高めると共にサービス化を進める。将来的には、複数の訪問介護事業所及び介護施設を統合的に管理することで、人員最適シフトの適用範囲を拡大して生産性向上を目指す。