環境省沖縄奄美自然環境事務所とNTTドコモは5月21日、沖縄県に生息・生育する希少な野生動植物(希少種)の密猟・密輸防止に向け、ドコモの画像認識AI(人工知能)「画像認識エンジン」を活用したカメの希少種の判定を行う実証実験を沖縄県、日本航空(JAL)沖縄支社、日本郵便沖縄支社、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄などの「密猟・密輸対策連絡会議」構成メンバーの協力の下、沖縄県の空港や郵便局で開始した。期間は2019年12月頃までを予定している。

  • 画像認識エンジンを利用するアプリのイメージ

    画像認識エンジンを利用するアプリのイメージ

同実験では、国の天然記念物に指定されているリュウキュウヤマガメなど3種類の希少なカメの密猟・密輸の防止を目的に、密猟・盗掘防止パトロールの現場や、空港などの荷物検査、郵便局の受付などでカメを発見した際に、スマートフォンのカメラで撮影したカメの画像を画像認識エンジンで解析することで対象の希少種かを判定するアプリケーションを開発・活用するという。

これにより、希少種に関する知識が少ない職員でも希少種を判定できるため、希少種の島外・国外への持ち出しの未然防止が可能になるとしている。

同実験で使用する画像認識エンジンは、NTTグループのAI「corevo」を構成する技術であり、ドコモが中期戦略2020「beyond宣言」におけるソリューション協創を進めるにあたり、研究開発部門・法人営業部門で組織横断的に構成した混成チームがユーザーの課題解決を図る取り組みの「トップガン」において推進するもの。

なお、同実験における対象の希少種の判別を実現するため画像認識エンジンのデータベースに事前に登録する対象種の画像は、沖縄こどもの国およびどうぶつたちの病院沖縄の協力により撮影した。

同実験では、環境省は実証実験運用における関係機関との連携調整を担当する。ドコモは、画像認識エンジンの提供、開発面における関係機関との連携調整、実証実験時のアプリなどの運用サポートを担当する。