インフォアジャパンは4月12日、クラウドBIプラットフォーム「Birst」を日本市場で提供開始すると発表した。同製品は、データソースからのデータの抽出・データ準備からレポート設計、可視化に至るまでのプロセスを1つのシステムでカバーする。

  • 「Birst」の主要機能

「Birst」の特徴の1つに、組織内の複数の部門で管理される分析データモデルを連携させ、データの重複管理を行わずに企業全体にまたがる分析を可能にする「ネットワークBI」というコンセプトをもとに設計されている点がある。

一般的に、企業では各部門でデータを管理・分析しているため、それらの重複を管理する必要があり、さらに、各部門が独自のデータに基づきKPIを策定しているため、一貫していないという課題を抱えている可能性がある。ネットワークBIに基づく「Birst」はこうした課題を解決する。

また、「Birst」は複数のデータソースからメタデータを解析し、分析データスキーマを自動生成するオートデータリファインメント機能を備えている。これにより、IT部門は時間がかかる、また、エラーが発生しやすいETLプロセスを実行する必要がなくなる。

加えて、スマートアナリティクスでは、ビジネスユーザーが特定のKPIと無数のビジネス変数との間の有意義な関係を見つけ、KPIの結果を説明するのに役立つ、ビジュアライゼーションとダッシュボードを自動生成する。スマートアナリティクスはパーソナライズされており、セキュリティフィルタ・ダッシュボードのコンテキスト・行レベルのセキュリティ・ユーザーの選択に基づき、ユーザーに合わせた結果を提供する。

  • 「Birst」の主な特徴

インフォアジャパン 代表取締役 兼 インフォア アジア太平洋地域担当シニア・バイス・プレジデント 兼 ジェネラルマネージャー ヘレン・マスターズ氏

説明会では、インフォアジャパン 代表取締役 兼 インフォア アジア太平洋地域担当シニア・バイス・プレジデント 兼 ジェネラルマネージャーのヘレン・マスターズ氏が、APACに関するビジネス戦略を説明した。

マスターズ氏は、2019年第3四半期(2019年1月末まで)終了時点で、APACのビジネス概況として、総売上が前年同期比28%増、クラウドサービスが同28%増、新規顧客が同56%増、顧客継続率が91.7%と、好調であることをアピールした。APACの中でも日本の成長は著しく、予想を大きく上回っているという。

今後、日本においては、「2019年の改元」「2020年の東京オリンピック」「Oracleのスワップアウト」「クラウド市場の拡大」といった明るい可能性を追い風に、食品・飲料・小売業界に注力し、次年度の第1四半期に「Info Nexus」を国内で提供開始を予定している。

インフォアジャパン 副社長執行役員 営業本部長 三浦信哉氏

副社長執行役員 営業本部長の三浦信哉氏からは、日本におけるビジネスについて説明が行われた。

日本においては、2019年第3四半期終了時点で、総売上・オンプレミス・クラウドのいずれも前年同期比で2ケタの成長を達成している。その背景について、三浦氏は「われわれのクラウドサービスは、複数のソリューションから構成されるスイートとして提供されているので、単価が上がる」と説明した。また、クラウドサービスにとって重要な指標となる顧客継続率は95.2%とアジア全体の数字より高い。

三浦氏は、2020年度の事業戦略として、パートナー施策に注力すると述べた。これまで、CloudSuite Industrialはパートナーが販売していなかったが、今後、パートナー中心にビジネスを進める。加えて、パートナー施策を強化するため、3年間で100名の認定技術者の育成を支援するとともに、各種ドキュメントの日本語化を進める。さらに、これまではクラウド製品の開発やオペレーションに携わる人材は海外にいたが、日本人の採用と育成に取り組む。

3年後の2022年度には、2019年度から売上を倍増させ、クラウド事業の売上比率を40%、チャネルパートナーの売上比率を25%に引き上げるという目標を掲げている。

  • インフォアジャパンのパートナー戦略