米JDA Softwareとパナソニックは4月1日、日本市場での工場・倉庫・流通業向けの協業によるソリューションの提案を推進するため、JDAの子会社であるJDA Japanとパナソニックによる合弁会社設立に関する覚書を締結したと発表した。

合弁会社は協業による統合的なソリューションの顧客提案活動を推進し、今年10月設立を目指す。資本比率はJDAが51%、パナソニックが49%。

両社は今年1月、JDAのソフトウェア「JDA Luminate」と、パナソニックの「荷仕分支援システム(Visual Sort Assist)」「欠品検知システム」「マルチモーダルセンシング技術」「顔認証技術」を組み合わせていくとして、協業を発表。

  • JDAとパナソニックのソリューションの連携のイメージ

JDA Software CEO Girish Rishi氏

JDA SoftwareのCEOを務めるGirish Rishi氏は、同社のソリューションの特徴として、AIと機械学習を適用していることを挙げ、「サプライチェーンの自律化を目指すこと」を同社のミッションとしていると語った。

日本市場については、「今後、サプライチェーン市場は拡大が見込まれ、日本の製造業はサプライチェーンの導入により、大躍進を遂げることができるチャンスがある。われわれのパートナーシップが日本の製造業をサポートする」と説明した。

Rishi氏は、JDAの強みは「エンドツーエンドのサプライチェーン機能の提供」「Microsoft AzureにネイティブのSaaSを提供」「サプライチェーン領域における専門性」であり、これらを「日本におけるブランド価値」「強固な顧客ベース」「ロボティクスや画像認識における革新的な技術力」といったパナソニックの強みと融合していきたいと語った。

JDA Software CEO Girish Rishi氏

一方、パナソニック コネクティッドソリューションズ 社長の樋口泰行氏は、「"お客様のため"というパナソニックのDNA、製造業として培ってきたノウハウをもとに、お客さまの『つくる』『運ぶ』『売る』というプロセスをサポートする。これらのプロセスのさまざまなシーンで、自動化を実現していく」と説明した。

そして、「技術を売るのではなく、お客さまの困りごとから逆算して、われわれの技術を組み合わせたソリューションを提供していく」と述べた。

現場のプロセスのイノベーションという領域では、AmazonやGoogleといったグローバルのビッグベンダーがホリゾンタルなプラットフォームを提供しているが、「それにはかなわないので、パナソニックはビッグベンダーが入ってこない、モノが動く現場で勝負する」と、樋口氏は工場・倉庫・流通業向けビジネスにおける戦略を語った。

今後、日本の企業においてサプライチェーンのパッケージを導入する機運が高まることが見込まれることから、新たに設立する合弁会社によってキャッチアップしていくという。

  • JDAとパナソニックの協業のコンセプト