札幌市場外市場商店街振興組合(札幌市場外市場組合)とNTT東日本、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、NTTは1月31日、飲食店におけるICTを活用した消費拡大と業務効率化に向けた訪日外国人向けおもてなしの共同実証実験を実施すると発表した。
近年、訪日外国人観光客数が伸びている一方、観光地における消費額の伸びには鈍化が見受けられ、おもてなしを通じた消費需要取り込みの重要度が以前にも増して高くなっているほか、観光地をはじめとした飲食店においては、訪日外国人の満足度向上に向けたきめ細やかな情報提供や円滑なコミュニケーションなどが喫緊の課題となっているという。
実証実験は、2月1日~3月29日の期間で行い、来店前から閲覧可能なスマートフォン向け多言語メニューの提供や店舗のオーダリング、POSシステムの注文、会計業務への活用、キャッシュレス決済による支払手段を拡充し、飲食店におけるICTツールを活用した訪日外国人へのおもてなし、接客業務の効率化、および取得データの利活用に取り組む。
各者の狙いとして、札幌市場外市場組合は利用客へのおもてなし促進による売上向上やデータ分析による国籍ごとの購買傾向の把握、ICTの導入による業務効率化の検証、NTTはメニュー選択から注文、支払いまでの一連のプロセスをシームレスにデジタル化する新たなサービスモデルの確立、NTT東日本はPOSレジやキャッシュレス決済サービスを活用した飲食店向けの新たな販売モデルの確立、NTT Comは飲食に関する国籍別の傾向等の把握にもとづく、地域の食材の魅力等を十分に伝えられる多言語メニューを核とした訪日外国人向けサービスの検討となる。
実施店舗は札幌市中央卸売市場 札幌場外市場のうめぇ堂、おもひで食堂、北のグルメ亭、共栄市場食堂、ヤン衆料理 北の漁場、大漁寿し 若駒、ラーメンひぐま。
なお、実証実験では札幌市場外市場組合が実証フィールドの提供、ICTツールを活用した接客業務の実施を、NTT東日本がICTツールの提供(オーダリング、POSシステムなど)を、NTT ComがICTツールの提供(多言語メニューなど)、ICT活用効果の測定を、NTTが実証の企画、管理運営をそれぞれ担う。