福岡市、福岡地所、さくらインターネット、GMOペパボの4者は11月29日、福岡市の旧大名小学校を活用した官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FNG)」を2019年5月31日にリニューアルオープンすると発表した。これに伴い、2019年6月以降の入居者募集を11月29日に開始した。

  • FGNの内観イメージ

    FGNの内観イメージ

今回のリニューアルは、福岡市が実施した「福岡市スタートアップ支援施設運営事業」公募に福岡地所、さくらインターネット、GMOペパボの3社が共同事業者として行った提案が採択されたものとなる。なお、福岡地所とさくらインターネットは引き続き運営に携わる。

FGNは、福岡市の雇用創出や地域経済の発展に貢献するとともに、将来的なユニコーン企業創出を目標として、スタートアップ企業や中小企業の第二創業へ継続的な支援を行う施設。これまで独自のスタートアップ支援施策により、企業の「新たな価値の創出」と「グローバルマーケットへのチャレンジ」を支援している。

2017年4月の開設以来、入居企業のうち24社に対して合計約70億円超の資金調達を実行したほか、130人を超える新規雇用を創出するなど、九州のスタートアップムーブメントの加速の一翼を担っているという。

リニューアルオープン後のFGNでは、アジアNo.1のスタートアップ支援施設を目指し「グローバルアクセラレーターとの連携」「FGNを本拠点とするスタートアップファンドを組成(10億円を予定)」「独自のハンズオンプログラム提供」「エンジニア支援育成プログラム」を目玉施策とし、福岡市をさらにスタートアップが集積する街・生まれる街にすべく、その成長をサポートしていく。

グローバルアクセラレーターとの連携では、グローバル社会で活躍するスタートアップの輩出を目指し、国内外に拠点があるグローバルアクセラレーターとの連携を強化する。FGNを本拠点とするスタートアップファンドの組成については、福岡地所とABBALabが主体となり、FGNの施設内にプレシード・シードフェーズのスタートアップを主な対象とした投資ファンドを新たに組成する。

同ファンドでは、FGN常駐の担当者を配置し、入居スタートアップの立ち上げ時期における資金及び資本政策の支援を行うことで、スタートアップの新たな成長機会の創出に寄与する。独自のハンズオンプログラムの提供に関しては、プレシード・シードフェーズのアントレプレナーを対象として、事業計画立案や資金調達など、スタートアップ企業に必要不可欠な知識や技術を身に付けることができる伴走型(ハンズオン)の育成プログラムを実施。

併せて、デザイナーの育成支援やマーケティング支援にも注力し、福岡市にスタートアップやスタートアップ支援者が集積する土壌を構築していく。ハンズオンプログラムの例として、アントレプレナー支援プログラムやPRのスキル習得&ネットワーク形成支援プログラムを挙げている。

エンジニア支援育成プログラムでは、スタートアップの製品開発に必要不可欠なエンジニアを対象として、プログラミングの基礎から専門領域まで学ぶことができる講座や、製品開発やセキュリティなどに関する専門的なアドバイスを実施する。また、未来のエンジニア育成に向けた子供向けのプログラミング教室も併せて開催。これにより、福岡市に優秀なエンジニアが集まり、生まれる文化の醸成を目指す。

育成プログラムの例としては、さくらインターネットのエンジニアが包括的なアドバイスを行う開発支援プログラム「Deep Tech Advisory」(隔月1回予定)及び、GMOパペポが社内で実施している新卒向けの研修をベースとする人材育成プログラム「エンジニアカレッジ」(週1回3か月予定)を挙げている。

そのほか、福岡市スタートアップカフェや福岡地域戦略推進協議会、地元の大企業、中小企業と連携し、スタートアップに加えて既存企業の成長の機会を提供していく。そして、お互いが支え合い成長を支援し合う福岡流エコシステムを構築し、アジアを代表するスタートアップ支援施設を目指していくとしている。