凸版印刷は11月1日、360度VR映像を活用し、臨場感のある近未来型の交通安全教育を体験できる交通安全教育用シミュレータの企画制作を、愛知県警察より受託したことを発表した。

愛知県警察はこれまでも、交通安全教育用シミュレータを活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を実施してきた。しかし、機器の老朽化や汎用性に課題を抱えていたことから、一度に多くの人が体験でき、運搬・設置が容易で、より高い臨場感が得られるシミュレータの導入を検討してきたという。

そこで凸版印刷は、VRを活用した体験ソリューションの提供実績と、臨場感・没入感の高い映像制作ノウハウを活用し、新たなシミュレータを制作。360度映像を通じて事故の怖さを体験してもらうことで、より教育効果の高い交通安全指導手法の提供を実現した。

同シミュレータは、交通心理学者である大阪大学大学院の中井宏准教授の監修により、事故の恐ろしさを体感することで教育効果を高める「スケアード・ストレイト教育技法」を採用。さらに、加害者視点や被害者視点、第三者視点から見ることで視聴者に気づきを与える手法を取り入れている。

また、最大20台のヘッドマウントディスプレイを指導員のノートパソコンから同時にコントロールできるため、一度に多くの対象者に交通安全教育を行うことが可能。ヘッドマウントディスプレイ単体での学習もできるほか、解説ナレーションは音声合成によるテキスト読み上げで、視聴者の理解をサポートする。