現在、働き方改革が推進されているが、大きな要のひとつが業務効率化だ。今までのあらゆる業務プロセスにメスを入れ、業務時間の内容と質を見直し勤務時間の効率運用と無駄な時間を省いて行くということに他ならない。効率化により得られた時間やコストは、各々の目的に割り振っていくというプロセスを回すことで、強く持続的な組織体制を構築できる。

そういった時間と労力の無駄を極力なくして行くソリューションを開発してきたのが大阪のベンチャー企業アジャイルウェアだ。今月24日から26日まで幕張メッセで開催されている2018 Japan IT Week 秋に同社が開発するプロジェクト管理ツール「Lychee Redmine」とリアルタイム議事録作成ツール「GIJI」が出展されている。今回、この2つのソリューションがどのようなものかレポートする。

  • アジャイルウェアのブース。「Lychee Redmine」の赤と「GIJI」の青の2色で統一されていた。展示会の案内人の衣装も同様に2色で統一されていた

    アジャイルウェアのブース。「Lychee Redmine」の赤と「GIJI」の青の2色で統一されていた。展示会の案内人の衣装も同様に2色で統一されていた

「Lychee Redmine」(ライチレッドマイン)は、オープンソースの「Redmine」をより使いやすくするため、多くの機能を追加した拡張プラグインだ。Redmineは、"チケット"とよばれる作業単位をベースに、ガントチャート、カレンダー、ロードマップなどでプロジェクト工程を管理していくのが最大の特徴だ。この枠組みがチームタスクを強力に押し上げる。同社の「Lychee Redmine」は、この機能を引き継ぎRedmineをさらに使いやすくするより多くの機能を追加している。優れたオープンソースをさらに多機能化、ユーザーのニーズに応じたカスタマイズをすることで洗練されたソリューションへと進化させている。

「Lychee Redmine」の特長のひとつが"さわれるガントチャート"だ。今までのガントチャートは見るだけのものだったが、同社の製品では、チャートのガントバーをマウスを使って移動させることができるようになった。チケット画面で期間や開始日を設定せずに、ガントチャートを見ながらスケジュールの変更が可能になる。連動するプロジェクトにドラッグするだけで紐付けられたり、Redmineが大きく進化する。

  • 「Lychee Redmine」<a href="https://lychee-redmine.jp/" target="_blank">Webサイト</a>にある"さわれる"ガントチャートの解説

    「Lychee Redmine」Webサイトにある"さわれる"ガントチャートの解説

  • 「さわれるガントチャート」。ガントバーをマウスでドラッグして移動することができる

    「さわれるガントチャート」。ガントバーをマウスでドラッグして移動することができる

  • 変更した内容がチケットに即、反映される

    変更した内容がチケットに即、反映される

仕事のToDoリストもよりシンプルに見える化が図られ、チケットボード上で誰が、何を行っているか、チケットの残り時間や実際の稼働時間を表示する「かんばん」機能や仕事の時間割当て単位であるスプリント毎にチケットを表示し、ドラッグ&ドロップで優先順位を並び代えできる「バックログ」機能。複数のチケットを一括生成する「チケットセット」機能などが追加されている。

作業工数を管理するタイムマネジメントは、カレンダーにチケットと作業をドラッグ&ドロップで直観的に配置して作成できる。有償オプションでGoogleカレンダーとの連携も可能だ。作業員のリーソースマネジメントに関しては、稼働時間、稼働率、生産性をグラフと表でリアルタイムに表示できる。そして、作業員の個々の負担を平均化して軽減するチケットの山崩しもドラッグ&ドロップで簡単に行うことができる。

  • 「Lychee Redmine」のバックログ表示。現在のスプリントの消化率も個別に表示される。スプリントからスプリントへチケットを移動させることもできる。個人の作業量と稼働時間がグラフで一目でわかる
  • 「Lychee Redmine」のバックログ表示。現在のスプリントの消化率も個別に表示される。スプリントからスプリントへチケットを移動させることもできる。個人の作業量と稼働時間がグラフで一目でわかる
  • 「Lychee Redmine」のバックログ表示。現在のスプリントの消化率も個別に表示される。スプリントからスプリントへチケットを移動させることもできる。個人の作業量と稼働時間がグラフで一目でわかる

「Lychee Redmine」のプロジェクトレポートは、複数のプロジェクトを一覧で表示し、プロジェクトごとに進捗・品質・コストなどの指標をパーセンテージや色分けで表現し、順調なプロジェクトと注意が必要なプロジェクトをわかりやすく表示する。担当者によれば、「現場の生の声が反映されるので本物のプロジェクト管理ができる」と、トップダウンで行われる現場を無視したプロジェクト管理を抑えることができる。

  • レポートでは、現在の作業状況の推移や今後の予想値をグラフで表示できる。作業進行の進捗状況が、パーセンテージ表記と色分けで一目でわかる
  • レポートでは、現在の作業状況の推移や今後の予想値をグラフで表示できる。作業進行の進捗状況が、パーセンテージ表記と色分けで一目でわかる
  • レポートでは、現在の作業状況の推移や今後の予想値をグラフで表示できる。作業進行の進捗状況が、パーセンテージ表記と色分けで一目でわかる

アジャイルウェアが力を入れるもう一つのプロジェクトがオンライン議事録作成ツール「GIJI」だ。「GIJI」はブラウザ上でリアルタイムに複数で議事を共有かつ編集できるアプリケーション。会議の進行に合わせて議事を記録、共有し、会議終了後には自動的に議事録を作成する。

この機能によりまず、関係者間の確認、申請、承認のフローを省略できる。そして、何よりも同アプリケーションを利用することで、議論中の無駄な会話や脱線を抑えて、会議時間を短縮する効果が期待できる点だ。議事への参加は、チャットを入力するように簡単にできる。終了した会議の議事録は、レポートしてストックされ何時でも参照することができる。

  • 「GIJI」のデスクトップ。チャットのように発言の内容を入力
  • 「GIJI」のデスクトップ。チャットのように発言の内容を入力
  • 「GIJI」のデスクトップ。チャットのように発言の内容を入力

  • 議事の内容は保存され、一覧表示される。議事の内容はPDFで出力できる
  • 議事の内容は保存され、一覧表示される。議事の内容はPDFで出力できる
  • 議事の内容は保存され、一覧表示される。議事の内容はPDFで出力できる

アジャイルウェアは2008年、川端光義氏が大阪で創業、Webシステム開発やRuby on Railsのアジャイル開発を行ってきた。そして、2012年に株式会社化し、2014年には看板製品である「Lychee Enterprise」の販売にたどりついている。同氏は、社名に冠するようにアジャイル開発を重視し、製品は毎月のようにバージョンアップして製品の使い勝手の向上に日々努力しているそうだ。「Lychee Redmine」の今後の展開については企業トップから現場の従業員まで理解できる、さらなる"見える化"を引き続き推進して行くと同時に海外への展開も視野に入れている。今月末までに外国語サイトを作成し、来月にはアメリカに視察に行く予定だという。

  • アジャイルウェア 代表取締役CEO 川端光義氏

    アジャイルウェア 代表取締役CEO 川端光義氏