ヤフーは10月15日、ドライブレコーダーから収集される動画データをAI技術で解析し、ガソリンスタンドのガソリン価格や駐車場の満空情報といった、道路沿いの視覚情報をテキスト化する実証実験を開始すると発表した。
同実験では、自動車に搭載するドライブレコーダーを用いて、ガソリンスタンドのガソリン価格やコインパーキング・パーキングメーターなどの満空情報といった、道路沿いにあるさまざまな視覚情報を撮影。その動画データをディープラーニングなどのAI技術で解析することで、高精度にテキスト化する。
これにより同社は、異なる事業者のガソリン価格や満空情報を網羅的かつ高頻度に収集することを目指し、解析したデータの有用性を検証したい考えだ。
また、テキスト化できる視覚情報にとどまらず、渋滞や事故といった交通状況やレストランの行列状況など、ドライブレコーダーから収集される動画データを解析してわかる、あらゆる地域情報の活用可能性も探っていく予定。解析により得られた情報は、「Yahoo! MAP」や「Yahoo!カーナビ」など、地域情報を提供する自社サービスでの活用を想定しているという。
実験期間は10月15日~2019年3月31日まで。エリアは東京23区内を予定している。対象車両台数としては、実証実験開始時は10台程度、11月上旬からは130台を投入する予定だ。
なお、同実験では、ドライブレコーダーをヤフーの連結子会社となるアスクルのグループ会社ASKUL LOGISTの配送用車両に搭載。車両の走行中に撮影される動画データは直接ヤフーが管理するサーバーに送信されるため、ASKUL LOGISTが動画データに一切関与することはないと説明する。
また、動画データの解析にあたっては、事前に、自動車のナンバープレートや歩行者画像などについてマスキング処理などを施し、個人を特定する目的では使用しないとする。加えて、動画データの解析後には、収集した動画データおよびこれをもとに複製・編集されたすべての動画データを破棄し、生活者のプライバシーにも最大限配慮していく。