日立製作所と日立システムズ、日立ソリューションズは10月2日、日立ドローンプラットフォームのサービスメニューを強化し、10月2日より提供開始すると発表した。
日立グループでは、2015年にドローンサービスの検討組織を立ち上げ、幅広い業種の顧客との実証実験を通じて、ドローンの社会実装に必要な要素技術、サービス、運用方法などの研究開発を進めている。
今回、これらの取り組みにより得た知見を取り入れ、AIを活用したドローンによるインフラ点検を拡充し、日立ドローンプラットフォームのサービスメニューを強化した。
従来からAIを活用したドローンによるインフラ点検は、一部の分野の顧客向けには提供していたが、同サービスの提供分野をエネルギー(そのほか設備点検)、通信(基地局設備点検、そのほか設備点検)、交通(鉄道設備点検)に加え、共通として画像解析、共通サービス基盤に拡充。
具体的には、AIを活用することで、過去の障害事例データベースから劣化している可能性の高い箇所を推定したり、劣化と汚れなどの違いを自動的に識別したりすることができ、精度の高いインフラ点検を実現するという。
また、従来は顧客ごとに個別にカスタマイズしていた日立グループのドローン関連ソリューションを業務・分野に合わせてサービスメニューとして体系化することで、顧客の課題解決につながる最適なソリューションをワンストップで提供していく。
さらに、用途に応じた最適な機体の選定から、ドローンで取得したデータの活用支援を含むコンサルティング、安全・安心な自律飛行を支援する運用・保守まで、さまざまなサービスメニューを組み合わせ、「業務に応じた機体の選定やドローンで取得したデータの活用に関するコンサルティング」「安全・安心な自律飛行を支援する運用・保守」などのソリューションをワンストップで提供する。
コンサルティングに関しては、業務用ドローンの用途では空撮によるデータ取得や物資搬送などに大別されるが、それぞれの目的に沿った最新機体の選定には専門知識が必要となるため、顧客の用途に応じて最適な機体を選定。
加えて、AIを活用した点検・検査、測量・撮影や輸配送などのサービス支援や、データ管理などを支援するドローン運用統合管理サービス(日立システムズ)、取得したデータの見える化などを行う空間情報ソリューション(日立ソリューションズ)を組み合わせ、業務効率化を支援するという。
運用・保守については、人によるリモート操作ではなく、目視外での自律飛行によりドローンが各種役割を果たすことにより、業務効率化が実現できることから、安全・安心な自律飛行を支援する運航管理システムや保守サービスを提供する。
なお、2018年8月に同社は福島県が整備する「福島ロボットテストフィールド」の運航管理システムの開発を受注し、同システムは国内の大規模実証実験施設において無人機の運航管理機能システムであり、同県とともに目視外飛行の高度化を目指し、日立ドローンプラットフォームのサービス強化を図る方針だ。
そのほか、同社では法制度などの必要な環境整備や国際標準化活動にも貢献し、具体的には、日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)を通じた政策提言、東京大学スカイフロンティア社会連携講座での次世代無人航空機に関する研究、ISOを中心とした国際標準化活動などにも取り組む。