ヤフーは8月28日、スマートフォン向け防災通知アプリ「Yahoo!防災速報」の新機能「訓練モード」を大阪府と共同で開発し、9月5日に実施する「大阪880万人訓練」で全国で初めて自治体の訓練と連動して同機能を活用すると発表した。

  • 「訓練モード」のイメージ

    「訓練モード」のイメージ

Yahoo!防災速報アプリは、緊急地震速報発生時、取るべき具体的な行動をプッシュ通知したり、該当する災害に対応した避難場所を表示したりするなどのリニューアルを2018年3月に行い、防災通知のみならず災害に備えるサービスを目指している。

大阪府とヤフーは「災害に係る情報発信等に関する協定」を2014年4月に締結し、府内の緊急災害情報や避難所の開設状況などをYahoo!防災速報を通じてユーザーに通知する自治体からの緊急情報の提供を昨年10月から開始するなど、府内の災害情報の発信をともに強化してきた。

政府の地震調査委員会によると、南海トラフ巨大地震は今後30年で70~80%の確率で発生すると言われているほか、南海トラフ巨大地震が発生した場合、大阪府内だけで死者約13万4000人、全壊棟数約17万9000棟、経済被害は約28兆8000億円、帰宅困難者は最大で約146万人と想定されている。

9月5日の開催で7回目となる大阪880万人訓練は、府から災害情報を通知し、府民の身を守る行動や災害時の備えについて確認する訓練。今年度の同訓練は南海トラフ巨大地震を想定し、市町村や学校、民間企業等へ連動した訓練を実施するように促している。

今回、両社はYahoo!防災速報アプリの新機能は東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 宇田川真之特任助教監修のもと、屋内・屋外などの場所ごとに取るべき行動を設問を交えながら、イラストを用いて分かりやすく表示し、災害時に役立つ知識を身に付けてもらうとともにYahoo!防災速報も活用することを目的としている。

訓練モードは8月28日から9月10日までの間、Yahoo!防災速報アプリにおいて「大阪府内の市区町村を登録地域としているユーザー、位置情報を設定し現在地が大阪府内のユーザーに向けて公開。災害時に取るべき行動をあらかじめ訓練モードを通して確認することにより、効果的な訓練となることを目指す。

また、大阪府以外の居住者でも、Yahoo!防災速報アプリの「地域の設定」で大阪府の市区町村を選択することで訓練モードの利用が可能となっている。