リコーのグループ会社であるリコーインダストリアルソリューションズは23日、自動運転技術のニーズが急速に拡大する自動車業界向けに、デンスステレオマッチング技術(高密度視差演算技術)を採用した車載用ステレオカメラをデンソーと共同開発し、量産を開始したことを発表した。
従来型のステレオカメラは、エッジ検出を用いた視差演算を行うため、路面の凹凸などを正確に検知することはできなかった。
この車載用ステレオカメラは、3次元画像処理技術にリコー独自のデンスステレオマッチング技術を採用することで、歩行者や車両、ガードレールなどの障害物の検出に加え、路面の状態まで認識することを可能となっている。
同技術は、車両周辺を高密度に3次元で検知でき、路面の細かい凹凸まで検出が可能という特徴があり、これにより車両が走行可能な路面(フリースペース)の検出が可能となり、ハンドル制御による障害物回避を実現する。
しかし、デンスステレオマッチング技術は膨大なデータを処理するため、自動車用安全装置に求められるリアルタイム性に課題があった。そこで今回、データ処理の高速化を行うことにより、業界に先駆けて本技術を採用した車載用ステレオカメラの量産に成功した。
同社生産センターでは、この車載用ステレオカメラを生産開始から累計約2万台出荷している。今後、リコーインダストリアルソリューションズは、自動運転・ADAS(先進運転支援システム)分野でのさらなる事業拡大を図るため、リコーグループ各社と連携し研究開発を進めていくとしている。