--日本法人のビジネスの状況はいかがですか?
古市氏:好調というよりも快調に推移しており、日本の受注高はグローバルの受注高に大きく貢献している。
グローバルプロダクトの機能に対し、日本におけるユーザーの声が多く反映し、日本に適した機能が追加されているため好循環となっている。
--好調である要因は?
古市氏:日本法人を設立した2013年当時はセキュリティに対するニーズ、ここ2~3は働き方改革のニーズがあったが、最近ではデジタルトランスフォーメーションによる関心が高まっている。
また、日本法人は優秀な人材を抱えている。社員にはBoxにとどまるのではなく、クラウド、SaaS業界の一翼を担っているという観点で業務に取り組むことを意識づけている。そのため、Boxで仕事をしたいと思わせる環境を継続して構築することが重要だと考えおり、これが浸透しているため受注が伸びている。
そして、パートナービジネスが挙げれる。SaaSだと直販が多いが、基本的にはパートナーと連携し、商談を成立させており、このスタイルがマーケットを広げ、ユーザーの不安感を払拭することに効果的だった。
現在は、一次販売代理店が6社、二次販売代理店が約180社を抱えており、一次販売代理店の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、マクニカネットワークス、三井情報(MKI)、富士通、NTTコミュニケーションズ、日本IBMとバランスが取れている。開拓できていなかった販路拡大につながり、導入する業界は多岐にわたる。
また、3月にはBoxユーザーが世界中でデータの保管先を選択できる「Box Zones」に日本国内で、すべてのデータ保管とバックアップが可能とする「Box Zones Japan」を開始した。これにより、官公庁・自治体や病院、銀行など国外にデータを出せない事業者からの関心がある。5月には企業が各ユーザーのデータ保存先を世界7ゾーンの中から選択できる「Box Zones with Multizones」を発表している。
--今後、グローバルにおける日本法人としてのポジションはどのように考えていますか?
古市氏:当然、受注を伸ばし、これまで以上にグローバルの業績に貢献したいと考えている。そして、昨今はAIの活用が急速に進んでいるが、AI分野のみならず多様な分野に対し、われわれの強みであるAPI連携により、日本発の連携ソリューションを世界に発信していきたいと考えている。