「はいどーもー。It's me,the virtual YouTuber Kizuna AI. I've been chosen as the campaign ambassador for the New York branch of the Japan National Tourism Organization(JNTO)!」
“画面の向こう側”で元気よく自己紹介をする女の子は、バーチャルYouTuberの「キズナアイ」。日本政府観光局(JNTO) ニューヨーク事務所の訪日促進キャンペーンアンバサダーに就任したことを嬉しそうに話している。
JNTOは外国人旅行者に対して日本への誘致活動を行う政府機関だ。インバウンドのプロモーションをすべく、JNTOニューヨーク事務所は2018年3月1日に訪日促進キャンペーンの特設サイト「Come to JAPAN」をオープンした。
それに伴い、バーチャルYouTuberのキズナアイが訪日促進アンバサダーとして起用され、動画や記事で日本の魅力を世界に発信することになったのだが、“カタい”という印象の政府機関が、なぜキズナアイを選んだのだろうか。アメリカで訪日観光のPR活動を行う、JNTO ニューヨーク事務所長の岩田賢氏に話を聞いた。
ちなみに、バーチャルYouTuberとは、YouTubeなどで動画配信を行うキャラクターのこと。そして、キズナアイは、YouTubeチャンネル「A.I.Channel」と「A.I.Games」を運用している、日本発で(自称)世界初のバーチャルYouTuberである。
斬新で拡散力のあるバーチャルYouTuberを訪日促進アンバサダーに
「国土が広大であり時代の最先端を進むアメリカにおいて、デジタルマーケティングへの対応は必須。さらに、ミレニアム世代を通じて拡散を図り、アメリカの旅行市場における日本の認知度を高めるためには、SNSなどを活用したPRが必要でした」
岩田氏は、企画の背景を語る。そこで、何かいいアイデアはないものかとコンペで企画を募集したところ、際立って斬新な提案を見つけたという。
「それがキズナアイを活用した訪日促進Webプロモーションです。インフルエンサーを起用する企画は、すでに一般的で新鮮味がありません。アニメーションの活用は、クールジャパンをプッシュする日本政府の方針にも合致しており、今回はキズナアイをアンバサダー制度で採用することにしました」
こうして誕生した訪日促進アンバサダー・キズナアイ。日本代表として、アメリカに、そして世界に日本の魅力を発信する役割を担うことになったのだ。