キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)とホーチキは5月28日、ネットワークカメラと入退室管理システムの連携システムで協業を強化すると発表した。

近年、セキュリティへの意識が高まっており、オフィスビルや商業施設などにはネットワークカメラや入退室管理システムの導入が増えているものの、ネットワークカメラや入退室管理システムは別の設備として構築されているため、緊急時にそれぞれのクライアント装置(PC)の操作をしなければならなかったり、各設備が持つ時刻情報が異なる場合にログの照合に時間がかかったりするなど、迅速な確認がしにくくなっているという。

特に、建物の規模が大きくなるほど管理が複雑化し「今、どこで何が起きているか」を把握しにくく、日々の運用を効率的に行うために同じ防犯目的の設備を統合したいという要望が増えている。

今回、ホーチキは、入退室管理システム「id・Techno for Professional II」をキヤノンMJが販売するネットワークカメラのビデオ管理ソフトウェア「XProtect」と連携できるよう機能拡張した。

これにより、PCからネットワークカメラと入退室管理システムのどちらも遠隔操作できるようになるため、日常的な管理が一元化され、利用者の利便性が向上するという。

  • 使用例1 入退室管理パソコンからカメラ映像を表示

    使用例1 入退室管理パソコンからカメラ映像を表示

  • 使用例2 カメラ管理パソコンで映像を確認しながら電気錠や連動設備を遠隔操作

    使用例2 カメラ管理パソコンで映像を確認しながら電気錠や連動設備を遠隔操作

首都圏の再開発や2019年以降に国内で開催される世界的なスポーツイベント、EC市場の拡大に伴い、大規模なオフィスビルや商業施設、ホテル、物流倉庫などの建設が増加しているほか、高度経済成長期に建築された建物は更新期に入り、リニューアル工事も増加している。

ホーチキは、火災防災・防犯分野で製品の研究開発・製造・販売・施工・メンテナンスまで一貫体制で展開しており、建設業界において自動火災報知設備や入退室管理システムなどの弱電設備に関するノウハウを保有している。

一方、キヤノンMJはXProtectを軸に、ネットワークカメラと各分野で高い技術や知見を持つアライアンスパートナーのデバイスや業務システムなどを連携させることで、顧客のニーズに合わせた映像ソリューションを提供する。

今後、両社は互いの強みを活かしつつ営業面と技術面で連携を強化し、今回の連携システムに加え、総合的な防災・防犯ソリューションの提供を目指す方針だ。