三菱電機ビルテクノサービスは5月22日、本社オフィスに設置している「"見て""触れて""実感できる"」をコンセプトとした体験型ショールーム「M's station(エムズステーション)」の大規模改修を行い、2018年6月1日よりリニューアルオープンさせることを明らかにした。
新たなM's stationは、コンセプトは従来のものを踏襲しつつも、ビル運用における「メンテナンスの重要性」や「課題解決の提案」などを顧客などに、これまで以上に理解および実感してもらうことを目的に、映像やデジタルツールなどを用いたコンテンツを複数のコーナーに設置。例えば、エレベーター室内をイメージした実物大のシミュレータでは、大型高精細液晶パネルを14枚組み合わせることで、さまざまな意匠のシミュレーションを即座に確認することができるほか、VRを通じて、オフィスでの空調やセキュリティ、動線効率化といったことを、その場に居るように体験することが可能となった。
同社代表取締役 取締役社長の吉川正巳氏は、リニューアルに際し、「三菱電機ビルテクノサービスの事業を、顧客らに分かりやすく紹介する場として、2002年にM's starionを開設。2010年にセキュリティや省エネニーズに対応するリニューアルを行って以来の大規模リニューアルを今回行った。コンセプトは従来どおりだが、我々が目指している昇降機(エレベーター)を止めない保守サービスを実現するための遠隔点検技術や、遠隔からの状態監視による予防保全、全国ネットワークを活かした大規模災害時の復旧体制などの紹介も追加された。また、AIやIoT、ビッグデータの活用による次世代サービスについても訴求していきたい」と抱負を述べ、従来のコンセプトに加え、(来場してソリューションを触れた人たちが)「感動できる」というところまで進化していくことができれば、と将来に対する期待感を示した。
今回のリニューアルでは、従来の昇降機やファシリティ、オフィスソリューションがある種混然としていた配置から、大きく「エレベータ・エスカレーターゾーン」と「ファシリティゾーン」の2つにゾーン分けを実施。よりビルの設備や管理を行う顧客に向けたソリューションに特化する形でのコーナー設置へと変更された。
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従来のM's stationの様子。パーティションなどで仕切られておらず、エレベータ、ファシリティ、オフィス関連のソリューションが渾然一体となって紹介されていた
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リニューアル後のM's stationの展示内容を紹介するパンフレット。2つのゾーンに分けられ、ソリューションを流れで理解してもらいやすくなった
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同社の取り組みやソリューションの概要を動画で紹介するM'sシアター。初めて来訪した人は、まずはここに通されることとなる
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エレベータのメンテナンスソリューションを体験できるコーナー。駆動部品や劣化部品のサンプルが展示されているほか、実際のロープテスタ(測定器)を用いた診断の様子などを見ることができる
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エレベータービジョン(意匠シミュレータ)。各壁面に4枚ずつ、天井に2枚の高精細液晶パネルを配置したエレベーターのかご空間で、液晶パネルに表示される意匠を変えることで、リニューアルや導入時の雰囲気などを体験することができる
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エレベータのリニューアルソリューション。工事期間中でも工事のない時間帯はエレベータを利用することも可能
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エレベータの制御部、駆動部のリニューアル前後で乗り心地や騒音がどの程度変化するかを比較イメージで体験できる
これにより、「エレベータを見に来た顧客であっても、その流れでファシリティを体験してもらうことも、またその逆も可能になる」(同社)とのことで、自社ソリューションの適用分野の拡大が期待できるようになるとしている。
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ヘッドマウントディスプレイでVRを通じて、ビル運営上のさまざまな悩みを解決するソリューションを体験することも可能
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2015年4月に施行されたフロン排出抑制法に対する定期点検や煩雑な報告業務のサポートなども行うことができる
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総合ビルセキュリティシステム「メルセーフティ」シリーズや、フルHD対応ネットワークカメラシステムなどのセキュリティソリューションも体験できる
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ビル設備運用システム&プランニング「Facima」などと空調コントローラなどの連携ソリューション。照明や入退出機器と連携させることで、省エネ制御を可能とする
なお、同ショールームは事前予約制で、一般には非公開。主な来場見込み客としては、ビルオーナーや設計事務所のほか、マンションの管理組合などを想定しており、これまで毎年4000~5000人の来場者であったところを、このリニューアルを機に年間で2000名程度の増加を目指したいとしていた。開館時間は9:30~17:00で、毎週土曜、日曜/祝日は休刊日となる。