ソフトバンクは5月11日、慶應義塾大学ハプティクス研究センターと共同で、物に触れたり物を持ったときの「硬い」や「柔らかい」などの感覚である「力触覚(りきしょっかく)」の情報を、無線通信を介して伝送する実証実験を実施し、5Gの有用性を確認したことを発表した。

今回の実証実験は、同研究センターが開発した、力触覚の情報を伝送して再現する技術であるリアルハプティクス技術をコミュニケーションロボットへ応用する共同研究の一環として実施したもの。

ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper」が装着した力触覚伝送用グローブと、遠隔地にいる人間が装着した遠隔操作用グローブの間で、力触覚の情報を伝送・再現する実験を、5Gと4Gの無線通信環境下で行った。

  • 力触覚伝送の仕組み

    力触覚伝送の仕組み

その結果、4Gでは遅延による影響で双方のグローブの動きにずれが発生し、正確に力触覚を再現できなかったが、5Gではその特長である1ms(1,000分の1秒)以下の超低遅延性により、遅延による影響を受けることなく、高精度な力触覚の伝送・再現に成功したという。

これにより、5Gを活用することで、繊細な力加減が必要となるロボットなどの遠隔操作が可能になるとしている。

なお、5Gではリアルタイム映像の伝送も可能となるため、遠隔地から操作しながらその様子をリアルタイムにモニターで確認するなど、今後ロボット分野のさまざまなシーンで活用されることが期待できるという。