三井不動産とNTTデータは3月19日、顧客満足度向上に向けて、コミュニケーションロボットを活用した実証実験を同20日~5月31日まで実施すると発表した。
三井不動産では今後の人材不足などを見据え、同社の開発・運営を手がけるさまざまな施設においてICTの活用を進めており、商業施設においては清掃ロボットの活用による施設管理業務の省人化やロボットの活用による店舗案内サービスの実証実験に取り組んでいる。
一方、NTTデータはNTTが研究開発を行ってきた「音声音響処理技術」や「日本語解析技術」、コミュニケーションロボットや、センサをはじめとした各種デバイスを連携制御するための技術などにより構成される「corevo」関連技術に関し、さまざまな業界で実証実験を行い、その有効性や実用性の検証を行っている。
今回の実証実験は、3月20日にリニューアルオープン予定のラゾーナ川崎プラザで行う。マーケティング領域へのロボット活用の取り組みとして、施設内の各所にコミュニケーションロボット「Sota」を設置し、利用客がロボットとコミュニケーションを取り合い、好みに合わせた店舗などを提案することで、施設内の回遊や購買行動にどのような影響を与えるかを検証する。
具体的には、館内の各所に合計10体のSota(および補助タブレット)を設置し、Sotaに搭載したカメラで、利用客の属性(年齢・性別)を推定することに加え、コミュニケーションを通じて来館目的も把握することで、店舗などを紹介した利用客専用カード(二次元バーコード入り)を提供する。
各所のSotaはクラウドロボティクス基盤で連携制御されており、利用客が館内をまわる最中に、上記カードの二次元バーコードを各所のSotaの補助タブレットにかざすと、利用客に提案した店舗に関する情報などが追加で提供される仕組みになっており、ロボットとの継続的なコミュニケーションを構築するという。
両社は本実験を通じて、商業施設におけるコミュニケーションロボットの効果や活用方法を見極め、利用客の満足度向上を目指す。