セールスフォース・ドットコムは3月15日、高度なコーディングを必要とせずIoTデータとSalesforce CRMを連携する「Salesforce IoT Explorer(エクスプローラー)」を提供開始した。価格は月額72万円から。
新製品は、IoTデータを業務プロセスに必要な情報に変えるプロジェクトに要する時間、人材、およびコストを削減するとしている。
誰もがIoTデータをSalesforceの顧客エンゲージメントを支えるシステムと連携して利用可能となり、受け身ではなく、能動的な営業やサービス、マーケティングといったビジネスプロセスの構築と採用を実現すると同社はいう。
同製品の機能として、ローコード(low code)によるオーケストレーション、顧客コンテキスト、顧客エンゲージメントの強化の3点を挙げる。
ローコードによるオーケストレーションに関して、同製品は、コーディングをあまり必要としないローコードによる容易な操作を提供するインタフェースを備えているとのこと。 これにより、ユーザーはポイント&クリックの操作だけで、任意のコネクテッドデバイス(インターネットに接続したデバイス)に対するルールベースの自動化を実現できるという。
例えば、製造会社の管理者は、工場のロボットがコンポーネント故障アラートを発した際に、顧客へ直接連絡を入れるようカスタマーサービスに通知をするといったワークフローを容易に構築できるとしている。
顧客コンテキストについては、コネクテッドデバイス、センサー、アプリケーションデータをSalesforceと連携することで、同製品は全てのデータを顧客情報と掛け合わせ、リアルタイムな顧客コンテキストを提供するという。
例えば、高価なコネクテッドデバイスを修理するサービスエージェントは、その故障がこの1週間で何回目なのか、あるいは正常なデバイスのための定期点検なのかを把握しておく必要があるとしている。
しかし、現在利用している機器の耐用年数に近付いていることが分かれば、営業チームがプロアクティブな販売機会を見極められると同社はいう。
顧客エンゲージメントの強化については、コネクテッドデバイスを通じて取得する顧客の状況を、データを通してリアルタイムに利用し、営業、サービス、マーケティングが部門を横断して先手を打つサービスを提供することで、顧客体験を変革し、顧客とのエンゲージメントをより強固なものにするとしている。
例えば、地域の自動車ディーラーで顧客サービス担当者のスケジュール調整を行う管理者は、顧客が特定の走行距離に達したらサービスコールを行うようにワークフローを自動化できるとのこと。
また、自動車の点検を担当するサービスチームは、車両の履歴を全て把握できれば、耐用年数を迎える顧客に対して新車の購買提案をすることも可能だと同社はいう。
なお同社は、IoT利用で企業が顧客とのエンゲージメントを強化していくことを支援していくにあたり、パートナー企業によるIoTシステム構築を推進するプログラムとして、「Salesforce IoTアクセラレータ―プログラム」を開始する。
同プログラムでは、Salesforceを利用したIoTシステム構築で実績があるというパートナー企業各社の強みを生かし、製造やサービス、小売といった業界に特化した業務プロセスをIoTソリューションテンプレートとして開発し、順次提供していく。
第1弾として参画するパートナーは、コネクシオ、タンバリン、テラスカイ、フレクト、ポテンシャルユナイテッド(50音順)の5社。