薄型、伸縮自在で体にぴったりと貼り付けることができるスキンディスプレーを、東京大学の染谷隆夫教授らの研究グループがこのほど開発した。身体機能が低下した高齢者らの情報アクセスをサポートできるために在宅介護など広い分野での応用が期待できるという。

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    写真 研究グループはスキンディスプレーを皮膚にフィットするように装着し、組み合わせたスキンセンサーで計測した心電波形の動画を表示した(提供・東京大学などの研究グループ)

東京大学大学院工学系研究科の染谷教授らと大日本印刷の研究陣による研究グループは、極薄のゴムシートに、赤く光る384個の小さな発光ダイオード(LED)と伸縮性に富む配線を載せる方法で新しいタイプのスキンディスプレーをつくることに成功した。厚さはわずか1ミリ。伸び縮みするため動画の表示部分は縦横各3.8、5.8センチから縦横各6.4、9.6センチまで伸びるという。

研究グループは、体に貼り付けることができるセンサーも開発しており、このスキンディスプレーと組み合わせて心電図の波形の動画を手に表示させることにも成功。開発したスキンディスプレーは、スマートフォンなどの通常の端末にアクセスすることが容易ではない入院中の高齢者らの情報アクセスをサポートできるとしている。障害者や幼児も使用可能で考えられる応用範囲は広いという。

研究は科学技術振興機構(JST)「未来社会創造事業探索加速型本格研究」の一環として進められた。

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