iPad、Macは引き続き現在の路線を堅持

前述の通り、iPadとMacについては、2017年の再生策が奏功しており、これを継続していくことになる。

  • 新型iPad Pro

Macについては、引き続き、素早い最新スペックの製品投入を行っていくことになるほか、年始に報じられたiOSアプリとmacOSアプリの統合によって、iPhoneやiPadのユーザーがよりMacを利用しやすくする環境整備に取り組んでいくことになるのではないだろうか。

またiPadについては、2017年は廉価版の需要に十分応えられたことで販売台数を回復したが、平均販売価格の定価を招いていた。すでに年末年始から日本でも「What’s a computer」というコマーシャルを放映しており、iPad Proがコンピュータの代替として認知されるようプロモーションを開始している。

iPadの成否は、iPad Proがその販売における存在感を示し、結果として平均販売価格が上昇していくかどうかにかかっている。ただ、Chromebookや2-in-1 PCなどは価格競争力の上で勝っており、引き続き厳しい戦いが予想される。

サービス部門で狙う次のターゲットは?

アップルはサービス部門の売上高を順調に成長させている。2017決算年度の売上高299億8000万ドルで、Fortune 100企業の規模を達成している。

このカテゴリは主にApp Storeでの売上が多くを占めており、iPhoneユーザーの拡大と、継続利用するユーザーが増えれば増えるほど、App Storeでのアプリ購買や定期購読料が伸び、売上高が拡大していく構造だ。

ここで、前述の通り、スマートフォンの販売が飽和を向かえてくると、新規ユーザー増加による売上拡大が見込みにくくなっていく。

そのため、アップルは、アプリ開発者に対して定期購読型の課金プラットホームを開放し、しかも1年以上継続しているユーザーからの収益は、手数料をこれまでの30%から15%に割り引く施策を採った。

開発者は、売り切り型のアプリ販売ビジネスから購読型ビジネスに移行することで、より多くの収益を安定的に得られるようになる。アップルからすれば、既存のユーザーが長くアプリを使えば、継続して手数料収入が得られるようになる。開発者へのインセンティブを与えつつ、App Storeのビジネスモデルを緩やかに変更しようとしているのだ。

この購読モデルが狙っている大きな市場は、米国におけるテレビ市場だ。現在、「コードカッティング」と言われるケーブルテレビや衛星放送の解約の流れが続いており、その受け皿はこれまで、多様なコンテンツを配信するNetflixやHulu、Amazon Primeが担ってきた。

しかしHBO Nowなど、ケーブルチャンネルがアプリをリリースして独自に集客をスタートさせているほか、Disneyもアプリによるストリーミングへの参入を表明している。今後コードカッティングから、複数のストリーミングサービスの加入という新しい視聴スタイルへと移行する際、アップルはそのプラットホームとして存在感を示していこうとしているのだ。

アップルはすでに米国市場から、「TV」アプリを導入し、複数あるストリーミングサービスを束ねた「番組表」のようなアプリを、Apple TVやiPhone、iPadに導入した。放送、エンタテインメント市場でのプラットホーム化は、アップルのサービス部門における次の成長の源泉として、注目している。