新スパコンを展示したNEC
国産メーカーで、今回、注目を集めていたのは新スパコンの「Aurora Tsubasa」を発表、展示したNECである。Aurora Tsubasaについては、別の記事で紹介しているので、詳細はそちらを参照して戴きたい。
Aurora TsubasaはハイエンドのディスクリートGPUのような形状で、次の写真に見られるように赤いモジュールがAuroraベクタプロセサを搭載するモジュールである。
日本勢最大のブースを構えたExaScaler
ExaScaler/PEZYは、日本勢としては最大面積のブースを構えた。また、海洋開発研究機構(JAMSTEC)に設置した「Gyoukou(暁光)スパコン」がTOP500で4位、国内1位となり、来場者の関心も高かった。
次の写真はブリックと呼ぶ実装単位で、PEZY-SC2プロセサを32個収容する。左下の4個もモジュールのスペースは、Xeon D CPUとInfiniBandのNICを収容する。
16個のブリックを収容する液浸槽。高密度の発熱を、絶縁性の液体であるフロリナートによる浸漬液冷で冷却している。
ExaScalerのブリックは、NVIDIAのVolta GPUを収容するものや、M.2 SSDを大量に搭載するものもあり、この展示ではそれらのブリックを混載して見せているが、本物の暁光ではすべてPEZY-SC2ブリックが使われている。
盛りだくさんの富士通ブース
ポスト京スパコン、液浸冷却、ディープラーニングのDLU、さらにクラウドなど各種製品を並べ、富士通は盛りだくさんの展示を行っていた。
富士通が開発を行っているポスト京スパコンとディープラーニング専用エンジンであるDLUの展示。これらは、まだ、実物は無いので、ディスプレイによる説明だけである。
富士通のフロリナート液浸槽は、19インチラックを横に倒した感じで、下の写真では、左から順に、PRIMERGY CX400サーバ、10G Ethernetスイッチ、ETERUNUS DX200ストレージ、PRIMERGY RX2530、GPUサーバが液浸されている。
この方式は、通常のラックマウント製品が使えるという点では便利であるが、通常製品を使うと、PEZYのブリックのような高密度実装にはならない。
POWER9サーバを展示する日立のブース
日立製作所は、2個のPOWER9 CPUに4個のVolta V100 GPUをつけた空冷のAC922サーバを展示していた。米国のフラグシップのSummitスパコンでは6個のV100 GPUを接続する水冷のAC922サーバが使われるが、小規模なシステムでは水冷のインフラが不要な空冷のサーバの需要が大きいと思われる。