ダイキン工業は、大阪大学との情報科学分野を中心とした包括連携契約にもとづき、大阪大学の教授が同社社員を教育し、AI活用を推進する中核的な人材を育成する社内講座「ダイキン情報技術大学」をテクノロジー・イノベーションセンター内に開講した。
「ダイキン情報技術大学」は、AIを用いた技術開発や事業開発を担える人材の育成を目的としたもの。AIによるデータ解析の技術が飛躍的に発展する近年、同社においても新たな空調ソリューション事業の創出や、ものづくり技術の高度化、業務改革の推進などへのAI活用が重要な課題となっているという。
同講座では、同社内の情報系技術者のほか、機械系や電気系、化学系の技術者に加え、空調事業や化学事業、コーポレート部門の企画担当者など、20代から40代の社員が受講者として幅広く選抜され、9ヵ月間のプログラムを受講する。週1回のペースで6カ月間実施する大阪大学教授によるAIの基礎知識の講義や、その後3ヵ月間実施する実際の部門課題を取り入れたデータ解析の演習を通じて、AIの導入により社内課題を解決する筋道を描ける「AI技術開発人材」、実際にAIのシステムを開発できる「システム開発人材」、AIを活用した新たな事業展開を企画できる「AI活用人材」といった、所属部門に応じたAIの活用を推進できる3種類の人材を育成するということだ。
受講期間を終えた受講生は、健康で快適な空気・空間の創造、エアコンの素早い故障予知、工場の生産ラインや部品調達のスマート化、生産ラインにおける熟練技能の伝承、AIを活用した業務効率化など、所属部門でAI活用を推進し様々な仕組みの構築に取り組む。同社は、同講座を通じて、現在100名程度のAI人材を2020年までに約700名に増強し、将来的にはこの取り組みを管理職や役員、全社員にも広げたいとしている。