電通と電通デジタルは12月5日、クリエーティブ観点でマスとデジタル媒体向けの動画広告の最適化を実現するサービス「BRAND LIFT CHECKER」を開発し、同日より提供開始すると発表した。
両社は2017年9月に、"人"基点で電通グループ内のマーケティング手法を結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」(PDM)を開発したと発表しており、今回の「BRAND LIFT CHECKER」はそのPDMサービスの一環である。
同サービスを活用することにより、マス媒体向けに開発した動画広告をデジタル媒体向けにアレンジする場合や、デジタル媒体向けに動画広告を展開する場合の両方において、"最も人の心を動かす、最適な動画広告"の制作サポートができるようになるという。
同サービスの開発に当たっては、過去に蓄積した2978件のYouTube動画広告で実施したブランド効果測定」をベースに、電通のCMプランナーによる独自のクリエーティブ観点からの178項目に及ぶチェックと、データサイエンティストによる分析を加えることで、人の態度変容を促す動画広告の要素・組み合わせを解明するに至った。178の中には、「冒頭1秒以内にブランド名が出る」「著名人が出演している」といった自動的に機械で判別可能な項目に加え、「感動的」「かわいい」といったような人にしか判別できない項目も含まれている。
従来のデジタル広告のクリエーティブでは、事前に高精度な成果予測を立てて効果の最適化を図ることは困難であったことから、個別案件ごとにABテストが行われ、実施しながら精度を高めていくという手法が用いられており、廉価に大量の広告クリエーティブを制作して試すという手法では、かえってブランドを棄損させてしまうのではないかとの懸念もあったが、今回、電通と電通デジタルで開発した「BRAND LIFT CHECKER」では、こうしたリスクへの対応にも役立つとしている。