勉強会では、インフルエンサー5名に集まってもらい、りそな主催で「マネー女子会」を開催。どのようにInstagramで発信するかについては自主性や感性を尊重し、彼女たちがそのときの様子や自身が学んだこと、考えたことをInstagramで発信してもらったという。

女性インフルエンサーが参加したマネー勉強会

その理由を竹下氏は、「ブランドとインフルエンサーの真の関係性を構築するには、インフルエンサーを単なるコンテンツ投稿者ではなく、“プランナー”として関わっていただくことが大事だと考えているからです。契約自体も単発/フォロワー数に応じた費用体系ではなく、3カ月以上の長期/アンバサダー契約としています。こちらから依頼したのは、『マネー女子会に参加して気になったことを、3カ月の契約期間中、3回投稿してください』というシンプルなものです。マネー女子会は、契約期間中に2回、座談会形式の勉強会として開催し、彼女たちのお金の疑問についても、ディスカッションできる場としました」と語った。

写真についても同様で、「りそなのブランドが伝わるクリエイティブで」と伝え、各自のセンスや世界観に任せたという。ただ、ハッシュタグ「#PR」やりそなとの取り組みである旨を入れるなど、関係性の明示は明らかにしたという。

「弊社からも、例えば『必ずロゴを写してください』という類のお願いは、あえてしていません。Instagramで金融商品という無形商材を訴求するのは初ということもあり、モノを販売するというより、テストマーケティングをしている、という感覚に近いです。また、インフルエンサーである彼女たちは、私たちがiDeCoを訴求したい層である、20代後半~30代の女性と重なる層でもあります。彼女たちがマネー女子会に参加して、どう感じたのか、何を疑問に思ったのかなど、彼女たちの言葉や目線は興味深く拝見しています」(谷内氏)

インフルエンサーの投稿

「エンゲージメント率はインフルエンサー一人ひとりでバラつきがあり、各自のフォロワーの属性とiDeCoとの相性が良かったのか、それとも投稿内容との相性が良かったのか、細かく見て分析を進めているところです」(竹下氏)

Instagramは各投稿にURLを掲載できないが、マネー女子会の記事はどのようにして拡散したのか?

「インフルエンサーの皆さんにはそれぞれ、Instagramのプロフィールに記事URLを入れてもらいました。そこからの流入はあまり期待していません。記事ページへの流入に大きく貢献したのはFacebook広告です。今回工夫したのは、インフルエンサーがInstagramに投稿した写真を広告素材として活用したことです。写真とテキストのクリエイティブを変え、全8種類ほどの広告を運用したところ、金融系商材を通常の素材で広告運用したときよりも、CPCが良いことがわかりました。アルな写真の方がCPAが良くなることは、他の取り組みでも実績として出ているので、このやり方を選んで正解だったと感じています」(竹下氏)

広告クリエイティブ

女性インフルエンサー×Instagramでの施策自体は決して珍しいものではない。ただ、無形商材、しかも金融商品という、ビジュアルでの表現が難しいiDeCoを訴求し、若い女性たちへの認知拡大を進めることができ、テストマーケティング第一弾の結果としては満足している、と谷内氏らは振り返る。

これからも同様の取り組みを進め、長期的な視野を持った上で、加入者獲得に動くという。同社の事例は、同じく金融商品を展開する企業、無形商材を持つ企業にとって、参考にできるエッセンスにあふれているはずだ。