ソニーは11月8日、ディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」のクラウドサービスをオープンベータ版として、無償提供を開始した。なお、1アカウントあたり、10時間のCPU学習、10GBのストレージ、10のプロジェクトという制約がある。
今年6月にオープンソース化したディープラーニング開発のためのコアライブラリ「Neural Network Libraries」に続き、同年8月に無償提供を開始したコンソールソフトウェア「Neural Network Console」は、Windows OSのみに対応していた。
一方、今回提供するクラウドサービスでは、ネットワーク接続環境下においてウェブブラウザでアクセスすることにより、OSにとらわれることなく、Mac OSやLinux OSでも「Neural Network Console」を利用できるという。
プログラムエンジニアやデザイナーは、プログラムのPCへのインストール作業から解放され、ウェブブラウザでアクセスするだけで、本格的なGUIを持つディープラーニング統合開発環境であるコンソールソフトウェアを利用でき、直感的なユーザーインタフェースで、ニューラルネットワークの設計、学習、評価などを柔軟、かつ効率的に行いつつディープラーニングのプログラムを開発し、各種製品やサービスへの搭載を可能としている。
Neural Network Consoleのクラウドサービスの特徴、ウェブアプリケーションのためサービスにログインするだけで常に最新の機能を利用できるため、専用アプリケーションのインストールは不要だという。
また、クラウド上で学習した結果はダウンロードし、Neural Network Librariesで実行できるほか、Windows版のNeural Network Consoleとのプロジェクトのやり取りにも対応している。
なお、Neural Network Console のベースとなるNeural Network Librariesを用いた学習および認識機は、エンタテインメントロボット「aibo『ERS-1000』」にも採用しており、鼻先の魚眼レンズによる画像認識の人物判定から顔トラッキング、チャージステーションの認識、一般物体認識などを実現しているという。
今後、クラウドサービスは、より高速な学習の実行や、複数のプロジェクトの学習を同時に進行させたいユーザーに向けて、複数のGPUを用いた高速演算が可能な機能なども有償での導入を予定している。