2017年10月3~6日にかけて千葉県・幕張メッセにて開催されるCPS/IoT Exhibition「CEATEC JAPAN 2017」にてLattice Semiconductorは、4つのスマート領域(スマートホーム、スマートシティ、スマートファクトリー、スマートカー)に向けた半導体ソリューションの紹介を行っている。

LatticeはFPGAベンダとして有名だが、2015年にSilicon Imageを買収して以降、HDMIなどの有線によるビデオコネクティビティ、WirelessHDをはじめとするワイヤレスソリューションなども提供しており、ブースではそれらがどういったシーンで活用されているのか、といったことをデモを通じてみることができるようになっている。

例えば同社ブースでもっともスペースを取っているスマートホームのコーナーでは、最大12Gbpsの双方向通信を可能とするワイヤレスコネクタ技術(近接接合型USBインタフェース)「Snap」のデモとして、スマートフォンとコネクタ接続なしで接続される360度カメラや、DsiplayLinkと組み合わせて、PCのUSBケーブルから映像情報を出力し、テレビモニタにHDMI変換して出力するといったものを見ることが出来る。また、HTVのVRVヘッドマウント「VIVE」の無線化デモとして、WirelessHDモジュール(国内認証取得済み)を搭載した形で体験することも可能だ。

「Snap」のモジュール(左)と、実際にSnapを活用したスマートフォンと360度カメラのデモの様子。Snapは7mm程度の距離まで通信を行うことが可能だという

WirelessHDモジュールを搭載したHTC VIVEを体験することも可能。VIVE本体との通信は壁に設置された親機が行う。右は搭載されているWirelessHDモジュール

このほか、スマートスピーカーでの同社FPGAの適用事例なども同コーナーでは見ることができるので、最新技術を深く知りたい人には向いているだろう。

最近流行りのスマートスピーカー向けソリューションとしては、FPGA「iCE40 Ultra」が紹介されていた

さらに、近年の国内向けビジネスとして伸びているというスマートファクトリーやスマートカーのコーナーでは、Snapを使ったPOSターミナルシステムのデモや、AEC Q100認証取得済みのプログラマブルブリッジングデバイス「Lattice CrossLink」を用いた車載カメラを模したデモなども見ることができる。特に車載カメラは、CrossLinkを活用することでMIPIインタフェースと別のインタフェースそれぞれにブリッジ対応することが可能となるため、CMOSイメージセンサ、SoCのいずれかがMIPIに対応していなくても、帯域を確保できるようになり、開発の容易化などを実現することができることから、国内の自動車関連メーカーなどからも注目を集めているという。

CrossLinkを使った車載カメラのデモ。左はCrossLinkを用いたダイナミックレンジの処理のデモとなっている

なお、取材時、同社ブースには、日本法人ラティスセミコンダクターの代表取締役社長を務める吉田幸二氏が居られたこともあり、同氏に9月13日付け(米国時間)に破談となった中国資本の投資ファンド「Canyon Bridge Capital Partners」による買収の裏側や、これからの同社の動きについての話を聞くことができたので、その件に関しては別途、改めて記事にする予定だ。

ブースにて来場者への対応をしていたラティスセミコンダクター代表取締役社長の吉田幸二氏