東京商工リサーチは10月3日、2016年「全国社長の輩出率、地元率」調査の結果を発表した。同調査は、同社の企業データベース296万9431社(2016年12月時点)の代表者データ(個人企業を含む)のうち、公開された出身地を抽出・集計したもの。

都道府県別の社長数は人口に左右されるため、出身都道府県別の社長数と人口(総務省「人口推計」2016年10月1日現在)を対比し、2016年の社長「輩出率」を算出したとしている。

「輩出率」トップは、3年連続の徳島県で1.36%(前年1.37%)だった。徳島県の人口は74万9,014人(2017年1月1日時点)で、18年連続で減少し、戦後初めて75万人を割り込んだ。関西圏に近く、住民の転出が転入を上回る状況が続き、同社は、社長の輩出率トップに人口動向が関わっている可能性もあると分析している。

第2位以降は、山形県、香川県、秋田県、愛媛県が続く。一方、輩出率が低いのは、47位に埼玉県(0.26%)、46位に千葉県(0.27%)、45位に神奈川県(0.33%)と続く。

都道府県別社長輩出率 資料:東京商工リサーチ

また、都道府県別の社長出身地は、トップが東京都だった。これに、北海道、大阪府、愛知県、神奈川県、福岡県、広島県と、大都市や中核都市が続く。

一方、最も少なかったのは鳥取県。これに、滋賀県、佐賀県、島根県が続く。トップの東京都と最少の鳥取県はともに7年連続となった。

地元出身者が地元企業の社長を務める社長の「地元率」では、トップは沖縄県が94.1%(前年94.2%)で、7年連続のトップを守った。同社は、沖縄県について、「他県からの企業進出が少なく、雇用の受け皿も不足するなかで、全国平均より高い失業率が地元の開業率を引き上げているが、最近は医療福祉や観光客の増加に伴い飲食業などのサービス業の創業も目立つ」と分析している。