HELLA AglaiaとNXPは、自動運転のための人工知能機能を追加し、現在のADASカー・ビジョン・プラットフォームを2018年に拡充すると発表した。

HELLA Aglaiaの同プラットフォームは、安全、スケーラブルで全範囲のフロント・ビジョンNCAP機能を実現し、OEM企業による量産車での展開を可能にするもの。提携の次のステップとして、このモジュラー設定に対し、自動運転のための人工知能機能が追加される。今日のビジョン・プラットフォームの多くはクローズド・タイプで企業独自の技術であることから、さらなるソフトウェア統合が困難になっているが、このことは技術革新や、市場のセンサ技術とソフトウェア・ソースを組み合わせる可能性を実質的に「閉ざす」ことを意味している。HELLAとNXPの提携と共同開発作業は、NCAP機能とレベル3から5の自動運転を可能にするために、カメラ・ベースのプラットフォームはオープンかつ安全でなければならないとの信念に基づいており、これは、システム・インテグレータと自動車メーカーに対し、ASIL要件に準拠しながらも設計のフレキシビリティを提供するものとなるということだ。

同プラットフォームに使用されているi.MXアプリケーション・プロセッサと、S32Vビジョン・プロセッシング・マイクロプロセッサは、システム・インテグレータとOEM企業に対し、運転支援機能をカバーするスケーラビリティを提供するもので、その中には、交通信号認識、車線逸脱検出、配光可変ヘッドライトのほか、歩行者/車両検出やイネーブルメント・ツール/ソフトウェアが含まれている。また、S32Vはソフトウェア冗長性を使用し、ハードウェア固有のASIL-B機能安全とASIL-C機能安全の追加機能を備えているという。なお、S32Vのサンプル出荷はすでに開始されており、量産出荷は2017年10月30日に開始予定となっている。

そして、2018年にリリースされるNXPの次世代ビジョン・プロセッサは人工知能のためのコンピューティング能力を提供し、これにより、ピクセルワイズでの分類、セマンティックなパス・ファインディング、車両位置特定などのより複雑な自動運転機能も可能になるということだ。