富士通は9月12日、心臓シミュレータのデータをVR(Virtual Reality)により立体的に表示する心臓ビューアーを、東京大学の大学3年生(約110名)を対象とした医学部の心電図講義に提供したと発表した。
講義では、プロジェクタで映し出された心臓のシミュレーションモデルを、立体的に見ることができ、講師は、正常時と異常時の興奮伝播の3Dモデルを、360度回転させたり、断面の状態を見せるなど、簡単な操作で動かしながら説明する。
心臓ビューアーは、MRIやCTで撮影された心臓の画像を元にスーパーコンピュータ「京」あるいはPCクラスタで、心臓の拍動を心筋細胞のレベルから再現。今回、教材向けに用意した、心臓シミュレータのデータを立体的に見ることができる専用ビューアーを活用し、心臓の内部・外部の構造をはじめ、リアルな心筋の挙動、詳細な血管網や血流の様子、興奮伝播の拡散などを、3Dモデルで学ぶことができるという。
これにより学生は、心臓の興奮伝播(ペースメーカー細胞からの電気刺激が心臓全体に伝わる現象)をVRにより360度立体的に確認することができ、心電図が興奮伝播過程でどのように生成されるかが理解できるという。
また、健康な心臓のほか、心筋梗塞、致死性不整脈、左脚ブロックなど疾患時のシミュレーションデータも用意されているので、正常時の心臓の挙動と比較しながら学習を進めることができるという。