ZMPは8月25日、自動運転技術を用いたお台場での公道実験の進捗状況を動画にて公開した。同実験は2020年東京五輪での完全自動走行タクシーによるサービス提供の実現へ向けたもので、今回の発表は2017年1月、4月の進捗公開に続くものとなる。
<動画提供:ZMP>
同社は、2020年東京オリンピックの開催地域でもあり交通量も多いお台場エリアの交通環境において、レーンチェンジや交差点右左折などの機能を開発、検証を行ってきた。今回の公道実験は、特にロバスト性の向上・工事現場などの交通状況への対応・スムーズなドライビングへの改善の検証を目的として実施した。
まず、複数センサによるセンサフュージョンの開発を進め、従来のカメラによる白線認識に加え、LiDARやステレオカメラとのセンサフュージョンにより、安定した自己位置の推定を実現した。さらに、工事により片側レーンが閉鎖されガードレールで反対車線へ誘導された環境で自動運転ができるよう改善。ルート情報の修正と前述のカメラ・3D-LiDARのセンサフュージョンにより、複雑な道路環境でもドライバーが介入せず自動運転走行を実現した。そのほか、熟練ドライバーの運転パターンを収集し制御アルゴリズムへ取り込むことで、よりスムーズなレーンチェンジなどの制御が行えるよう改良を加えた。
なお、今回の実験はドライバーが乗ったレベル3の実験となる。同社はこれを、警察庁より発表の指針に沿った車内にドライバーのいない自動運転車の公道実験に向けた重要なステップと位置付けており、今後は、2018年~2019年には実証エリアを広げ、2020年のサービス開始を目指し、引き続き技術開発を進めていくとしている。