日本IBMは7月14日、「IBMスタディ:共に未来を創る ブロックチェーン - 『先駆者』が示す3つの方向性」の日本語版をの提供を開始した。同社は、経営者を対象にブロックチェーンに関する展望を探る過去最大の調査を行い、レポートをまとめた。
今回発表したレポートは、経営者を対象とした調査レポート「グローバル経営層スタディ」のシリーズの1つで、ブロックチェーンを使い、どのようにビジネスを運営し、収益を上げ、顧客、パートナー、競合他社を問わず対応するつもりかについて、各業界の経営者を対象に実施したインタビューの結果に基づいてまとめている。
調査は、IBMのInstitute for Business Valueが実施し、ブロックチェーンの実証実験、試験運用、実装のいずれかを積極的に進めている企業である「先駆者」と、現時点ではブロックチェーンを検討していない企業とを比較。先駆者は、防御より創造的破壊を狙う傾向があり、これまでビジネス上の最大のリスクは創造的破壊をもたらす新しい商品やサービスを提供する競合他社だったが、昨今ではビジネスモデルの異なる非従来型の競合他社が既存企業の打倒を狙っているという。
先駆者は競争の仕組みを根本的に変えることにより、市場や業界に創造的破壊を起こそうとしているため、調査対象となった経営層の一部は、ブロックチェーンテクノロジーに対して、パートナーエコシステム内での信頼性、説明責任、透明性を確立するために設計された新世代の取引用アプリケーションの開発を推進し、自社に競争上の優位性をもたらすことを期待している。
新しいプラットフォームによるビジネス・モデルの構築は、消極的な企業には向いていないと同社は指摘。実際、先駆者のCIOの10人中6人が、エコシステム全体で顧客とパートナーをつなぐブロックチェーン・プラットフォームを構築するための十分な体制が整っていないと認めているという。
また、同時に調査対象となった各業界の経営者約3000人のうち33%が、積極的にブロックチェーンに取り組んでいる、またはブロックチェーンの活用を検討しており、先駆者の100%が自社の戦略をブロックチェーンが何らかの形でサポートできることを期待しており、63%がブロックチェーンを取引の透明性向上に利用したいと考えているという。
さらに、先駆者の78%が財務上の変化への対応または新しいビジネスモデルの開発のいずれかに投資を行っており、ビジネスモデルが脅かされている企業のうち、先駆者の半数以上が自社の業界または他社の業界内でまったく新しいビジネスモデルを立ち上げるつもりであることが判明した。
加えて、ブロックチェーンを積極的に活用している経営者の71%がブロックチェーンの取り組みを推進する上で、業界コンソーシアムが重要だと考えており、ブロックチェーンを積極的に活用している経営者の78%がブロックチェーンの取り組みを推進するために、顧客が重要だと考えているという。