ヴァイナスは7月11日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球情報基盤センターが進める、流体科学技術イノベーションを促進し産業競争力の強化と研究開発投資効果の向上を目指す技術支援サービス「風と流れのプラットフォーム」に、ヴァイナスが販売とサポートを行っているOpenFOAMの機能強化版である解析ソフトウェア「HELYX」が正式に対応したと発表した。

同プラットフォームは、文部科学省の先端研究基盤共用促進事業(共用プラットフォーム形成支援プログラム)の委託事業であり、代表機関であるJAMSTECのほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東北大学、京都大学、九州大学の5つの機関で構成され、民間企業や大学などが単独で保有することが困難な先端研究施設として、スーパーコンピュータ(デジタル風洞)と風洞試験設備(アナログ風洞)を提供する技術支援サービス。

「風と流れのプラットフォーム」を構成する5つの機関

今回のHELYX対応は、JAMSTECが保有する地球シミュレータならびに大規模共有メモリシステム(SGIのUV2000)にて行われたもので、これにより流体解析の最適化計算や大規模CFDの高速化などを航空、機械、土木、船舶、化学工学など幅広い分野において実現することが可能となる。

HELYXによる解析のイメージ

今回の正式対応を受けてヴァイナスでは、HELYXと、すでに稼動している高品質メッシュジェネレータ「Pointwise」ならびにインテリジェント・ポストプロセッサ「FieldView」を連携させることで、同プラットフォームにて、大規模流体のモデル作成・解析・結果評価をシームレスに実行することができるようになると説明している。

なお、HELYXのライセンスについては、別途エンドユーザー側で契約を行う必要があることに注意が必要だという。また、ヴァイナスでは、オープンソースソフトウェアの総合サポートサービス「OPASS(Open Source Advance Support Service)」を提供しており、これによりプリ・ポストプロセスからクラウドコンピュータでの効果的な運用のサポートを提供していくとしているほか、JAMSTECでは、利用に関する相談や問い合わせに関しては、同プラットフォームのWebサイトにあるワンストップサービス窓口にて受けるとしており、これによりエンドユーザーの問題を相談してもらったうえで、技術的な事項などを加味し、最適な施設の紹介や利用詳細などを提供していくとしている。