サッポロビールは7月5日、ぶどう栽培会社のサッポロ安曇野池田ヴィンヤードに人工知能(AI)を導入すると発表した。ぶどうの品質向上と栽培技術のスピーディな伝承を目指す。

同社はプレミアムワイン「グランポレール」ブランドを提供しており、安曇野池田ヴィンヤードのぶどう園においてグランポレールの原料となるぶどうを栽培している。

今回、同社はぶどう園にセンサーを設置して、気象や土壌の環境情報を収集。生育状況や品質に応じた分析をクラウドサーバで行い、最適な作業指示をリアルタイムにフィードバックする。AIの開発には農学系の博士課程を修めた社外研究者が参加したため、科学的な農業技術を用いた栽培を実現できるという。

また、現地の栽培技術者が保有する知見も組み込むことができるので、独自の栽培ノウハウの蓄積・共有が可能だ。体系化された栽培技術を確立させて、自社ぶどう園のみならず契約農家の人へも知見を展開することで、長期的な供給システムの確立を目指す。

センサーが設置された安曇野池田ヴィンヤードの様子

同社は将来的には、ワイン用ぶどう栽培への新規参入を考えている人へ知見を提供し、安定したぶどう栽培に取り組めるようにすることで、農業の後継者不足対策の一助になるよう貢献していくと考えている。