日本HPは20日、3Dプリンティング事業を始動し、業務用3Dプリンティングソリューションを発売する。

HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション

新製品「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」の特長は、約30cm×約40cmの造形エリアを面として一度に造形するプロセスにより、1点ずつ造作する既存の造形方式などと比べて最大10倍の造形スピードで高い品質のパーツを生産できる点にある。

また、造形エリアで材料の積層と2種類のエージェント(溶解促進剤)の噴射、ヒーターによる加熱を繰り返して固めていくことで、高い寸法精度と弾性、縦/横/高さの3方向すべてに強度を備えた、高品質のパーツを生産する。

さらに、パウダー除去などの後加工や材料の再充填など3Dプリンティングプロセスのさまざまな工程を統合することで、生産時間、コスト、エネルギー消費や無駄を削減し、3Dプリンティングの経済性を向上させる。

また、3Dプリンターは、プロトタイプの試作に最適な「HP Jet Fusion 3D 3200 プリンター」と、プロトタイプ試作に加えて小ロットの最終製品の製造に対応できるよう設計された「HP Jet Fusion 3D 4200 Printerプリンター」を用意。また、プロセッシングソリューションは、材料の充填、パーツの冷却、取り出しなどを行う「HP Jet Fusion 3Dプロセッシングステーション」と、より冷却時間を短縮する機構と大容量の材料カートリッジを備える「HP Jet Fusion 3Dファーストクーリングプロセッシングステーション」が用意される。

HP Jet Fusion 3D 3200 プリンター

「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」の販売開始予定は8月で、価格は約3,800万円~(保守、サービス、据付調整費、消耗品等は含まず)。一方の「HP Jet Fusion 3D 3200 プリンティングソリューション」の販売開始は11月が予定されている。国内での販売は、これまでも3Dプリンタ導入支援を行ってきた武藤工業とリコージャパンが手がける。

なお、同ソリューションは、6月21日~23日に東京ビッグサイトで開催される「設計・製造ソリューション展(DMS)」のHPブース(41-36)にて、国内で初めて展示される。さらに同ブースでは、再利用性の高い造形材料「HP 3D High Reusability PA 11」「HP 3D High Reusability PA 12」や「VESTOSINT 3D Z2773 PA 12」を含む、各種アプリケーションやサンプル品が展示される予定となっている。