富士通と台湾富士通は20日、台湾ナショナルスーパーコンピュータセンターに、稼働時点で台湾最高性能となる新スーパーコンピュータシステムを構築すると発表した。新システムは、2018年5月に本稼働する予定だ。
台湾ナショナルスーパーコンピュータセンターは、1991年に設立された、台湾唯一の国立スーパーコンピュータセンターだ。台湾の研究機関、民間企業および海外研究者1,000人以上が、国際的な人材交流や共同研究の促進などで活用し、台湾化学技術力の向上やイノベーションの創出、それに伴う経済発展に貢献している。今回、システムを刷新することでさらなる研究の加速に加え、AIやビッグデータなどの新たな研究分野に対応した研究基盤を提供する。
新システムは、富士通のPCサーバ「PRIMERGY」の次期モデルを含む715台のサーバで構成されるPCクラスタシステムだ。そのうち、計算ノード631台には、Intelのサーバ向けCPU「インテル Xeon プロセッサー・スケーラブル・ファミリー(開発コード名:Skylake)」を採用し、2.13ペタフロップス以上の理論演算性能を実現する。
また、アクセラレータノード64台には、NVIDIAのGPU「NVIDIA Tesla P100」を採用し、理論演算性能は1.35ペタフロップス以上に達する。
各計算ノード間は、最新の高速インターコネクト「Intel Omni-Path Architecture」で接続され、富士通および富士通研究所が持つ高速化技術によって、高い並列演算性能を実現する。
さらに、従来よりも高い温度の水で冷却する、最先端の富士通の冷却技術を採用する。これにより、冷水を得るための冷却設備への負荷が減り、また高い温度の冷却水からの排熱を再利用できるため、システム全体でのエネルギー効率向上が期待できるという。