農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)は、田植え作業における省力化や人手不足解消に向けた、無人作業が可能な「自動運転田植機」の開発が一定水準まで達し、関係者に対して開発機の展示・実演、意見交換の場となるイベントを開催することを発表した。開催日時は7月6日 13:30~15:30。会場は埼玉県鴻巣市にある農業技術革新工学研究センター附属農場。参加費は無料(要・申し込み)。

自動運転田植機の外観

国内の水稲作は、トラクタやコンバイン、田植機に代表される農業機械の普及で高速化と大幅な省力化が実現された。一方で、1経営体当たりの作付面積は増加の一途をたどり、なかでも10haを超える大規模経営がその過半数を担うなど、さらなる高能率化、省力化が要求されている。

そこで農研機構では、苗や薬剤の補給を行う補助作業者に注目し、田植機の運転操作を自動化することで、田植えと資材補給、監視を作業者1名で実現する、新しい田植え作業システムを開発してきた。

そしてこのたび、自ら判断した走行経路に沿って無人で往復行程の田植えができる開発機の完成となった。同機では1人で簡単に田植え作業と苗補給を行えるという。直進と旋回の大幅な速度アップが可能な自動操舵システムにより、無人運転で熟練者以上の速度と精度で植え付けが行えるということだ。なお、速度は、すでに開発された田植えロボットの2倍を達成し、実用化に大きく近づいたと説明している。また、この技術は、田植機に限らず、自走車両全般の自動運転技術として活用も期待されると説明している。

無人作業中の自動運転田植機

なお、7月6日には、埼玉県鴻巣市にある農業技術革新工学研究センター附属農場において現地実演会を開催する。タイムスケジュールは、13:30~14:15に検討会(開発機の概要や質疑応答)、14:30~15:30には実演・展示(自動運転田植機、電動植付田植機)が行われる予定となっている。参加費は無料。参加希望舎は、NAROのWebフォームより申し込む。