三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)およびSMBC日興証券は5月24日、FRONTEOが開発した人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を用いて、顧客満足度を向上するデータ利用の検証を行い、効果が得られたことを確認したと発表した。
今回の取組みは、SMBC日興証券が顧客のためとなる人工知能の利用方法を幅広く検討する中で実現したという。2017年1月から多様な分野におけるKIBITの利用について検討を開始し、実際のデータを用いたPoC(概念検証)を経て、成果を確認した。
具体的には、コールセンターにおいて顧客からの問い合わせ記録の中から、オペレータが気付いていない、または申告していないが、実際には顧客満足度の向上に繋がったような対応履歴を高精度で抽出できたという。今後は、各分野でオペレータが気付いていない、または一見分かりにくい隠れた苦情や不満の抽出および、分類の検証を開始する予定だ。
KIBITの解析は、学習に必要なデータが少量で済み、短期間で検証できることが特徴だという。今回の検証を通じて、SMBC日興証券の中に蓄積した暗黙知的なノウハウをKIBITに学習させることで、課題や学ぶべき、対応すべきノウハウを特定し、共有することで、多様な環境に左右されない、強い企業の実現を目指すとしている。
また、膨大な記録の中から探したい情報をいち早く整理し発見できるため、社員の業務効率を改善できる可能性が高く、働き方改革への貢献にも期待しているという。SMBC日興証券は、KIBITの積極的な利用を全社レベルに拡大し、顧客へのサービス向上に加え、働き方改革を実現していく。さらに、FRONTEOは引き続き、業務への本格的な導入がスムーズに行なえるよう、支援を継続していくという。