ソニックウォール・ジャパンは5月12日、記者説明会を開催し、米国本社CEOのビル・コナー氏が事業戦略および日本市場へのコミットメントについて、ソニックウォール・ジャパン代表の藤岡健氏が新たなパートナープログラムについて説明した。
コナー氏は同社の強みについて、脅威のインテリジェンスを豊富に収集していることと語った。同社が今年2月に発行した脅威レポート「Cyber Arms Race」を引き合いに出し、セキュリティ業界が進化するとともに、サイバー犯罪も進化を遂げており、企業が安全を確保するにあたって厳しい状況であることを指摘した。
続けて、コナー氏は同社のビジョン「Automated Real-time Breach Prevention」について、課題、ニーズ、キー・イネイブラーを説明した。
課題である「先進的脅威」は「もともとあった脅威をコンフィグレーションをしなおしただけ」とし、ランサムウェア、ゼロデイの脆弱性、マルウェアなどを挙げた。
ニーズについては、さまざまな不正をリアルタイムで防止していくとした。
キー・イネイブラーは「SSL/暗号化されたトラフィックの検査」「マルチエンジンのクラウド型サンドボックス」「判定が下されるまでの不審なファイルのブロック」となる。
コナー氏は、「今後、マルウェアの80%が暗号化された通信を介して入り込んでくる」として、暗号化されたトラフィックの検査の重要性を訴えた。また、1日に80億から90億のマルウェアが発生しており、これらを解析するため、同社はディープラーニングのアルゴリズムとマシンラーニングを開発したという。
ディープラーニングによって検査が行われ、ウイルスかどうかの判断がつかなかったファイルはサンドボックスで検査が行われる。
サンドボックスでは、ハイパーバイザー、エミュレーション、バーチャライゼーションの3つのエンジンで検査を行い、現在、4つ目のエンジンの開発が行われている。
ソニックウォール・ジャパン代表の藤岡健氏からは、同日にスタートした新たなパートナー向けのプログラム「Japan SecurityFirst Partner Program」についての説明が行われた。
「Japan SecurityFirst Partner Program」に参加したパートナーは、ポータルサイトへのアクセス権付与、セールスツールの提供、リベートプログラムの提供といった特典が得られる。「Resistered」「Silver」「Gold」「Platinum」の4つのランクが設定されており、ランクによって特典が異なる。「Silver」「Gold」「Platinum」のランクは、過去の実績に基づき、ディストリビューターとの合意の下、決定する。
「Japan SecurityFirst Partner Program」に参画したパートナーは、トレーニングプログラム「Sonicwall University」を利用できる。
加えて、マーケティングキャンペーン「Fear Less」の紹介も行われた。同キャンペーンでは、「ランサムウェア」「暗号化された脅威」「Eメールの脅威」についての見識を高めていく。
2012年の傘下に入ったソニックウォールだが、2016年11月にデルから独立した。今回、新生ソニックウォールとして、新パードナープログラムの下、舵を切ることになる。
CEOのコナー氏は今後ターゲットとする市場について「われわれはSMBでリーダーの位置にあるので、今後はエンタープライズ市場のシェアも拡大していきたい」と語っていた。