キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は4月19日、サイバネットシステムが提供するビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Viewer(ビッグデータビューア)」に関する販売代理店契約を締結したことを発表した。
キヤノンITSでは、これまでシュナイダーエレクトリックが提供するPLCとERPを結びつける産業オートメーション向けソリューション「Wonderware」の提供を行ってきたが、IIoTやIndustrie 4.0に代表されるような産業機器にセンサを搭載する取り組みが世界中で広がる中、センサから生み出されるデータをどのように活用すれば良いのか、といった課題も出てきていた。BIGDAT@Viewerは、さまざまな属性情報からなる多次元データを分析し、2次平面上にそれらデータ間の類似性を可視化する、いわゆる「0次分析」を可能とするツール。膨大なデータ項目の中から、データサイエンティストでなくても、ある事象により強く影響する要因/データ属性を見つけ出すことを可能とするものとなる。
今回の代理店契約締結により、キヤノンITSはWondwerwareとBIGDAT@Viewerの両方を提供することが可能となり、Wonderwareのデータベースに蓄えられた膨大なデータの中から、BIGDAT@Viewerを用いて、2次元マップ上に必要とするデータの分布などを表示し、それをWonderwareのインテリジェントツールなどで、さらなる分析を行ったり、定常監視につなげたり、といったことが容易に行えるようになるという。
なお、キヤノンITSでは、自社のデータサイエンティストと連携したデータ分析サービスを今後、展開していきたいとしているほか、単体ツールとしての販売ではなく、WonderwareとBIGDAT@Viewerを組み合わせたソリューションとしての提供も進めていきたいとしている。また、現在のBIGDAT@Viewerの提供形態は買い取り、もしくは1年間の契約のみとなっているが、ユーザー層がFAEやアフターサービススタッフなどにも拡大していくことが見込まれるため、自社のクラウド環境を活用した従量課金方式などの提供も進めていきたいとしている。
BIGDAT@Viewerの価格は、買い取り方式が10ユーザ/サーバでライセンス代が480万円(税別)、年間保守代が96万円(同)。追加ユーザーは1ユーザーあたりライセンス代が18万円(同)、年間保守代が3万6000円(同)となっているほか、1年間ライセンスの契約方式では、10ユーザー/サーバで280万円(同。保守費用含む)、追加1ユーザーあたり10万5000円(同。保守費用含む)としており、2020年にWonderwareを中心としたファクトリーオートメーションソリューション事業として、7億円の売り上げを目指すとしている。