国際情報サービス企業クラリベイト・アナリティクス(旧トムソン・ロイター)はこのほど、引用された数が多い論文数(高被引用論文数)で評価した日本の研究機関ランキング(2017年版)を発表した。

クラリベイト・アナリティクスが「高被引用論文」としているのは、研究分野を22に大分類し、それぞれの分野において被引用数が上位1%の論文。データ分析対象期間は2006年1月1日から2016年12月31日の11年間。

1位は東京大学で、高被引用論文数は1,326。「その大学・研究機関から発表された全論文に占める高被引用論文」の割合は1.6%だった。2位は京都大学で高被引用論文数は764、同割合は1.2%。3位は理化学研究所で623、同2.4%。1~3位の順位は昨年と変わらなかった。以下、4位から10位までは、大阪大学540、同1.1%、東北大学497、同1.0%、名古屋大学395、同1.2%、産業技術総合研究所327、同1.2%、九州大学319、同0.9%、東京工業大学304、同1.2%、物質・材料研究機構303、同2.1%の順となっている。昨年の順位と比べ名古屋大学と産業技術総合研究所が、また九州大学と東京工業大学がそれぞれ入れ替わった。

日本の高被引用論文総数の世界各国中順位は12位だったが、分野別を見ると化学は5位に、物理学と材料科学は6位に、免疫学は7位に入っていた。

2014年まで上位にランクされていた国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は「戦略的に科学技術イノベーションの創出を推進するファンディングエージェンシーとしての事業内容を鑑み」という理由からランキングから除外されている。高被引論文数は725、高被引用論文の割合2.3%で価値の高い論文を多数生み出していることを示している。

関連記事

「世界4位のJSTにトロフィー授与 イノベーションをけん引する世界の国立研究機関」

「『世界で最も革新的な企業』に日本の34社」