シーメンスヘルスケアは3月28日、ハイブリッド手術室対応の多軸透視・撮影システム 「ARTIS pheno(アーティス・フィノ)」の国内販売を開始したと発表した。

同製品は、複数の疾患を抱える患者に向けて低侵襲治療を実現することを目的に開発されたもの。3D画像撮影機能「syngo DynaCT」の画像処理プロセスにより、従来よりも少ない造影剤での3D画像を生成することが可能となった。また、造影剤に過敏な患者であっても、四肢のCO2造影を可能としたほか、テーブルを傾斜させた場合でも、新機能「StructureScout」によりCO2造影画像を鮮明に描出することを可能とした。

さらに、Cアームの内径を13cm広げ、アーム内のフリースペースを95.5cmに拡大。これにより、X線透視を併用する手技において患者へのアクセス性が向上し、体格の大きい患者の場合でも器具操作のための作業スペースを確保しやすくなったという。加えて、フレキシブルなアイソセンター可変機構「FIS」により、あらゆる患者ポジションに応じて、治療に最適な透視・撮影を可能にしたとするほか、TrumpfならびにGETINGE GROUPの手術台と組み合わせることも可能で、複雑な患者体位や特殊なテーブルトップが必要な外科的処置にも対応することが可能だという。

このほか、高感度ティテクタ「zen40HDR」とX線管「GIGALIX」の搭載により、被ばくを抑えつつ高精細かつ高画質の画像描出が可能なことに加え、新たな2K技術の採用により、撮影に加え透視も2K対応が可能になったという。

なお、同製品は、院内感染への対策として、独自の衛生管理アプローチに基づく設計が採用されており、掃除のしやすい抗菌加工カバーの採用や、装置内へのケーブル内への集約、カバーの隙間を無くすデザインによる液体の装置内部への侵入防止といった工夫が施されているという。

据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置「ARTIS pheno」の外観