コーヒー業界で存在感を急拡大させたセブンカフェ

2013年とは、まさにセブンカフェが登場した年のことである。この発言から、マックは今回の新商品に関して、かなりコンビニコーヒーを意識していることがうかがえる。

セブンカフェは2013年1月に発売を開始。同年5月に5,000万杯、7月に1億杯、9月に2億杯、そして年末12月にはなんと3億杯を突破した。翌年2月末には販売数が4億5,000万杯を超えている。

2014年9月には年間目標6億杯を目指して商品を刷新。豆の配合・焙煎を見直し、独自の磨き工程を取り入れることで、さらに華やかな香りと雑味のないすっきりとした後味を実現した。

セブンカフェが顧客の人気をつかんだ要因は、1杯ごとのペーパードリップと挽き立て・淹れたての香り、コク、おいしさである。一部の店舗では、新旧の豆をセットしたマシンを並べて飲み比べと称した販売を展開。これなら商品の変化が一目(一口)で分かるという訳だ。

マックの「コーヒー売りません」キャンペーンとは

コンビニコーヒーの伸張を受けたマックは、プレミアムローストコーヒーの存在感向上を急ぎたいところ。今回のリニューアルにあたり、同社は1月16日から5日間、朝限定でプレミアムローストコーヒーを無料で提供するキャンペーンを実施している。

発表会にはコーヒー通としても著名な俳優の筧利夫さんが駆けつけた

今回のキャンペーンによる店舗側のメリットとしては、従来のキャンペーンのようにクーポン配布の人員(手間)をかけずに済むことが挙げられる。デメリットは通常の顧客とキャンペーン目当ての顧客の導線がクロスしてしまうことだが、店舗によっては、専用コーナーを設置するなどして導線を分けることも可能だろう。

一方、客側のメリットは大きい。アプリやクーポンを持っていなくとも、コーヒーが無料で手に入るからだ。一般的に、通常価格で商品を購入する顧客は、横で並んでいる顧客が同じものをクーポン提示で安価に購入している姿を見ると、ちょっと損をした気分になるものではないだろうか。今回のキャンペーンには、そんな消費者心理も反映しているのかも知れない。