インターネットイニシアティブ(IIJ)とブレインズテクノロジーは11月28日、機械学習を活用してシステム障害を予兆検知する監視システムを共同で開発したと発表。IT設備やIoTデバイスの障害予兆検知ソリューションとして、主に通信事業者やIoTビジネスを展開する企業をターゲットに販売していく。

今回両社は、パートナー契約を締結し、ブレインズテクノロジーが提供するデータ分析プラットフォーム「Impulse」を組み込んだシステムの構築、およびIIJのクラウドサービス「IIJ GIO(ジオ)サービス」上に実装したサービス・ソリューションを提供する。

Impulseは、さまざまなデータを収集・構造化して集計・異常検知まで繋げるリアルタイムの予測分析プラットフォームで、膨大な量のログデータ、センサーデータなどに対して機械学習で自動的に状態を識別し、実効性の高いデータの予測分析・異常検知を実現している。

IIJ GIOサービスは、企業向けにインフラリソースを提供するクラウドサービス。アプリケーションやプラットフォームを提供する付加価値サービス、特定業務向けシステムの早期導入を実現する応用ソリューションなど、さまざまなITサービスを提供している。

今回の共同開発により、「IT設備監視ソリューション」と「IoT向けソリューション」の提供を予定している。

IT設備監視ソリューションは、IT設備における通常のネットワークトラフィック、サーバリソースを機械学習で解析し、通常と異なる傾向をリアルタイムに検知することで、システムのサイレント障害や障害の予兆を発見するソリューション。これにより障害の未然防止が可能となり、コストや運用負荷の大幅な削減を実現するという。

一方、IoT向けソリューションでは、大量のセンサーデバイスデータ(ビッグデータ)を解析し、リアルタイムでの故障予兆を行う。属人的な閾値監視・目視監視の運用では実現不可能な、高精度でシステマチックなデバイスの監視や管理・制御が可能となる。同ソリューションは2017年度中の提供を目指し、開発を進めている。また、2016年11月末より提供開始予定の「IIJ IoTサービス」の機能として実装することも予定している。IT設備を保有するISPやケーブルテレビ事業者、製造業をターゲットに、2年間で50社への導入を目指している。

今後両社は、障害予兆検知にとどまらず、機械学習やAIを活用したシステムやデバイス管理・制御の自動化、そしてこれらの仕組みを支える次世代のクラウドコンピューティング・ネットワークの提供を実現していくとしている。