新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月18日、南アフリカ共和国のダーバン市と共同で、省エネルギー型の海水淡水化技術の実証事業を開始することに合意し、基本協定書(MOU)を締結したと発表した。
同事業では、NEDOの国内事業において確立された省エネルギー型の「海水淡水化・水再利用統合システム」の導入により、南アフリカ共和国の水不足問題の解決を目指す。
同システムは、下水を再生処理する過程で余った水を用いて海水を希釈し塩分濃度を下げることで、従来の海水淡水化法に比べて消費電力を30%以上削減できるというもの。また、海水淡水化においては、塩分濃度が高い濃縮海水の排出による周辺海洋環境への影響が問題となっているが、同システムでは希釈した海水を淡水化することにより排水の塩分濃度を海水と同程度とし、海洋環境への影響を最小限に抑えることを可能としている。
NEDOは、今後3年間でダーバン市中部下水処理場に日量6250トンの飲料水を周辺地域の海水と再生水から生産可能な設備を構築していくとしている。