東京大学情報基盤センターと筑波大学計算科学研究センターが共同運営する最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)は11月14日、富士通が構築した超並列クラスタ型スーパーコンピュータ(スパコン)「Oakforest-PACS」が、2016年11月のスパコン性能ランキング「TOP500リスト」において、日本勢のシステムとしては、これまでトップであった理化学研究所の「京」を上回る処理性能を達成したと発表した。

Oakforest-PACSは、LINPACK性能で13.6PFlopsを達成(京は10.5PFlops)しTOP500で6位にランクイン。ピーク演算性能も京の約2.2倍となる24.9PFlopsとなっている。プロセッサには68コアの「Intel Xeon Phi 7250(1.4GHz)」(開発コード名:Knights Landing)を採用しているほか、インターコネクトには「Intel Omni-Path」を採用。ノード数は8208となっている。

東京大学柏キャンパス内の情報基盤センターに設置されており、システムの調達・導入・運用および主な利用プログラム運用などのすべてを双方の大学が共同で実施する国内初の試みが行われている。なお、今回、国内最高性能を達成したことを受けて、JCAHPCの施設長を務める東大の中村宏 教授は、「Oakforest-PACSを国内最高性能のスーパーコンピュータ資源として共同利用・共同研究に供し、次世代のさまざまな科学技術分野の研究開発を飛躍的に推進するとともに、計算科学およびHPC分野の人材育成にも利用していただき、各分野の今後の発展に全力を尽くしてまいります」とコメントしている。