東北大学とトプコンは8月25日、緑内障の診療や治療方針の決定に有用となる緑内障分類を自動で行うソフトウェアを開発したと発表した。

同成果は、東北大学大学院医学系研究科 眼科学教室 中澤徹教授、トプコン技術本部らの研究グループによるもので、8月24日付の米国科学誌「PLOS ONE」に掲載された。

緑内障においては眼圧が最も重要な危険因子となるが、眼血流や近視、血管の攣縮(スパスム)などが原因で緑内障が悪化することも知られている。眼圧以外の因子が緑内障に与える悪影響が大きいと、緑内障の主な治療法である眼圧下降治療だけでは緑内障の進行を食い止めることが困難になる。

緑内障の治療は、スパスム、近視、血流障害といった、眼圧以外の危険因子と眼圧を反映した4つのグループに緑内障を分類することで効率化が図れるが、その分類方法は検者の熟練を要し、また主観的な要素が大きく、一般の診療所では分類が難しいことが問題となっていた。

今回、同研究グループが開発したソフトウェアは、スウェプトソース光断層計(OCT)で3次元眼底撮像した視神経乳頭形状の精密な計測値を用いて、自動で緑内障の危険因子の4分類を行うというもの。多様な病因や進行形態をとる緑内障診療において、全国で標準化された緑内障病態の細分化や治療の個別化につながることが期待される。

トプコンのスウェプトソースOCT「DRI OCT-1 Atlantis」(出典:トプコン社Webサイト)

OCTによる視神経乳頭の計測