高校生がスポンサーを得てアメリカのロボコンに出る

「FRC:First Robotics Competition」に出場したTokyo Technical SamuraiとTeam 5701:Indigo Ninjasの共同ブースがあった。ロボコンと言っても重量50kg以上という日本では考えにくい重量級のロボット大会で、まず「デカイロボット」が目に留まった。ルール発表から6週間以内に作らなければならないという時間的制約も厳しいが、それ以上に厳しいのが「資金問題」。

アメリカの高校生が起業のために資金を借りるとかスポンサーを募るというのはまあまあ聞いたことがあるが、日本の高校生がスポンサーを見つけてロボコンに出るというのは(不勉強で)聞いたことがなかったので「今の高校生はここまで来ているのか!」と正直驚いた。

一方、やはりこのような取り組みに賛同する日本企業は今のところIT系中心ということで、こういう運動は知ってもらう事が重要だろう。ということで、日本ロボット教育推進機構(J-REPO)を立ち上げ、国内におけるFRCの広告および普及活動と参加チーム支援(目標は2020年に10チーム参加)を目指すという。

毎年ルールが変わる&毎年新規に作らないといけない、とかなりハードルが高そうなロボコン。ちなみに今年はゴールにボールを放り込むようだ

Tokyo Technical Samuraiのロボット。高校生がスポンサーを集めるというのは驚異の交渉術だと思う。また50kg超えのロボットも大迫力。できればグイングインと動いている様子を見たかった

Indigo Ninjasのロボット。今年のお題は「ボールをゴールに投げ込むロボット」ということで、毎年新規に作らなければならないのも大変そうだ

今年のスポンサー一覧を見せていただいた。海外でそういうイベントをやっていることを理解してもらうところから始まるのでハードルが高いだろう

♪回るー回るーよルンバーは回るー(+トーンアーム)

お掃除ロボットとして誰もが知っているルンバをターンテーブルに改造した「Create 2 DJ Turntable II」があった(製作はDum6 Sen5e)。モーターパワー的に33 1/3RPMまでしか対応できなかったそうだが、そのためにも軽量化が施されているという。もちろん回転制御も可能。

古典的ディスコフロアのあるお店が今残っているのかわからないのだが、フロアおそうじタイムで出てくるとこれはこれで盛り上がりそうな気がする。

個人的に今回のおバカ技術一等賞はコレ。ターンテーブルとして第二の人生を歩ませるためにはおそらくお掃除機能が外されているハズ

ドラマーだって目立ちたい

バンドで動けないドラマーは音以外ではなかなか目立てない存在だが、それを解消しそうなのがSHOW4プロジェクトのShow4だ。

原理はピエゾ素子をドラムに張り付けて、そのアナログ信号をデジタル変換してBLEでスマホに飛ばしてアプリがシグナルに沿った画像を生成。これをプロジェクタで表示するというもので、バスドラがいい感じのディスプレイと化して目立てる!

「ロック系だと穴空いているのでカッコ悪いのでは?」と突っ込んでみたところ、穴よりも問題なのは「大多数のバスドラは黒い」とディスプレイに向かない事だそうだ。壁に投影することもできますということだが、ここは何とかドラムに目立って欲しい。

YAMAHA協賛のハッカソンから生まれたShow4。ビートに同期した画像で目立つこと間違いなしだ

ドラムに圧力センサを取り付け(左)、そのアナログ信号をデジタル変換しBLEでスマホに飛ばすワイヤレスセンサユニットがキモだ

スマホの画像をプロジェクターでバスドラに投影

TAXI dash……いや、TAXI BUTTON

JapanTaxiが参考出品していたのは、押すだけでタクシーを呼び出すボタン。予想通りAmazon dashインスパイアというお話だったが、色々と課題があるという。

パっと思いつく「イタズラで押しちゃう」以外にも、タクシーを電話で呼ぶ場合細かいリクエスト(黒塗りの車で来てほしい、荷物が多いからNV200がいい等)ができるが、単純なボタンではそのようなリクエストに応えきれないそうだ。一方、押すだけで手配完了というカンタンUIなので、介護施設等で使えればという説明だった。

3月に発表したIP無線配車システムのデモ機も展示しており、「タクシードライバーと開発のイタチゴッコ」の話(勝手にアプリをインストールされないように設定を出せないカスタムAndroidを作った)に来場者が驚いていた。

Amazon DashはBLEで飛ばすものだが、こちらのTAXI BUTTONはWi-Fiで飛ばせる自己完結型のもの。UIはわかりやすいが、細かい注文ができないのが難点と考えているようだ

3月に発表した新型のタクシー情報システム。これはドライバーの研修用として活躍しているそうだ